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【世界の馬主紹介 Vol.8】ハーリド・アブドゥラ殿下

2018年12月19日 15:00

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世界で最も成功しているオーナブリーダーのひとり。正式な名はハーリド・ビン・アブドゥラ・アール=サウード。ヨーロッパとアメリカに生産拠点を持ち、これまでに生産したG1馬は100頭を超す。

1937年にサウジアラビアで誕生。現在のサウジアラビア国王のいとこにあたる。不動産業、メディア事業、金融業、保険業などを幅広く手がける巨大企業マワリドグループを築いた。

初めて競走馬を手に入れたのは1977年。その2年後には初勝利を挙げ、同年にはノウンファクトでミドルパークSを制してG1初制覇を果たした(同馬は翌年のG1英2000ギニーもヌレイエフの失格で繰り上がり優勝)。


当初はセールを中心に馬を購買していたが、1982年にイギリスに牧場を買い求め、本格的な生産活動を開始。現在ではイギリス、アイルランド、アメリカに生産牧場を構え、ジャドモントファームの名の下で経営されている(所有繁殖牝馬は200頭ほど)。種馬場はイギリスのバンステッドマナースタッドとアメリカ・ケンタッキー州のジャドモントファームの2カ所。アメリカでは個人ではなく、法人名のジャドモントファーム名義で馬を走らせている。

これまでも1986年の凱旋門賞(G1)やキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)を制したダンシングブレーヴ、1993年のG1英2000ギニーを勝ったザフォニック(自家生産馬)など数々の名馬を所有してきたが、2010年以降は活躍が特に顕著。

英チャンピオンSや英2000ギニーなどG1、10勝を含む14戦無敗で引退したフランケル(自家生産馬)、サセックスSやジャックルマロワ賞を含むG1を4連勝で欧州年度代表馬に選ばれたキングマン(自家生産馬)、BCクラシック(G1)やドバイワールドC(G1)を制して北米賞金王の座に就いたアロゲート、そして2017年、2018年とG1凱旋門賞を連覇した欧州年度代表馬エネイブル(自家生産馬)など超一流馬が続出している。凱旋門賞は史上最多タイの6勝(レインボウクエスト、ダンシングブレーヴ、レイルリンク、ワークフォース)、英チャンピオンオーナー3回、米エクリプス賞最優秀馬主4回、同最優秀生産者5回。

近年のG1勝ち(ジャドモンドファーム名義の馬を含む)
2018年:
凱旋門賞(フランス):エネイブル

2017年:
ロワイヤルオーク賞(フランス):アイスブリーズ
凱旋門賞(フランス):エネイブル
ヨークシャーオークス(イギリス):エネイブル
キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(イギリス):エネイブル
愛オークス(アイルランド):エネイブル
ジャストアゲームS(アメリカ):アントノー
英オークス(イギリス):エネイブル
ヒューマナディスタフS(アメリカ):ポーラスシルヴァーライニング
マディソンS(アメリカ):ポーラスシルヴァーライニング
ドバイワールドカップ(UAE):アロゲート
ペガサスワールドC(アメリカ):アロゲート

2016年:
BCクラシック(アメリカ):アロゲート
トラヴァーズS(アメリカ):アロゲート
ソードダンサーS(アメリカ):フリントシャー
マンハッタンS(アメリカ):フリントシャー

文:秋山 響(TPC)

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