2016年から日本でも海外G1レースの馬券が発売されるようになり、初回の凱旋門賞は地元フランスの場外馬券発売公社PMUの2倍となる41億8599万5100円もの売り上げを記録。サクソンウォリアーやファンシーブルー、ヨシダ、タガロアなど内国産種牡馬の産駒も各国で活躍し、世界が日本競馬へ注ぐ眼差しも一段と熱いものに変わっていった。
凱旋門賞を連覇したトレヴやエネイブル、コックスプレートを4連覇した豪州のウィンクスなど、2010年代は世界の芝・中距離戦線で牝馬が目覚ましい活躍を見せた。日本も例外ではなく、アーモンドアイがドバイターフを含む史上最多のG1レース9勝を達成。そして、リスグラシューとディアドラもアーモンドアイに劣らぬインパクトを世界に与えた。
2019年、5歳を迎えて本格化したリスグラシューは、ウィンクスの引退を受けて新たなスターを求めるコックスプレートに参戦。直線173mのトリッキーなコースを豪快なまくり差しで突き抜け、豪州屈指の大レースを日本調教馬として初めて制した。また、ディアドラは2019年の香港でリスグラシューとともにクイーンエリザベス2世Cを戦うと、英国へ飛んで1年5か月に渡り長期滞在。2戦目のナッソーSで日本調教馬として19年ぶりの英国G1制覇を果たした。ディアドラはサウジアラビアやバーレーンにも足を延ばすなど10戦し、日本を含む8か国でのレース経験という最多の渡航記録も残している。
日本馬の成績データ※JRA馬券発売レースのみ