20世紀中に宿願の海外G1制覇を果たした日本調教馬の活躍は、21世紀を迎えると堰を切ったように加速する。アピールの足場となったのは日本からも程近いアジア諸地域。2001年は振り出しのドバイから年末の香港まで快挙に沸く1年となった。

3月のドバイWCに挑戦したトゥザヴィクトリーは、歴代の日本調教馬が見せ場らしい物も作れていなかったダート戦で先頭をひた走り、直線半ばで当時のアメリカ最強馬キャプテンスティーヴに捕まるまで独走。最後は3馬身差をつけられて2着に終わったが、海外ダートG1での初連対というだけでなく、ドバイWCで連対した唯一の牝馬という記録を残した（2020年現在）。また、このレースの直前にはステイゴールドがドバイシーマクラシックを制し、UAEにおける日本調教馬の初勝利を手にしている。

12月の香港国際競走では、そのステイゴールドが香港ヴァーズを、エイシンプレストンが香港マイルを、そしてアグネスデジタルが香港Cを勝ち、日本調教馬が4レース中3レース制覇の鮮烈なデモンストレーション。エイシンプレストンは翌年からクイーンエリザベス2世Cで日本馬初の海外同一G1連覇も達成し、香港で3年連続G1勝ちという金字塔を打ち立てることになった。

さらには、2005年にシーザリオがレースレコードでアメリカンオークスを勝ち、日本調教馬による米G1初制覇を果たしている。