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プロフィール

来日経験がないにもかかわらず、エネイブルほど日本で高い人気を誇った外国の名馬はいないのではないだろうか。欧米でG1レースを11勝し、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSを3勝などの快挙を数多く達成したが、最も強い印象を残したのは、むしろ、成し遂げられなかった偉業の方かもしれない。前人未到の凱旋門賞3勝に向けた挑戦の記録は、日本はもちろん世界中の競馬ファンに大いなる興味を与えてくれた。

最強女王として君臨することになるエネイブルだが、デビュー当初から話題の中心にいた訳ではない。2歳11月のデビュー勝ち時は2番人気、明け3歳で迎えた2戦目は3番人気で3着と早くも黒星を喫した。当時の1番人気は同じアブドゥラ殿下の勝負服を背負ったJ.ゴスデン厩舎の僚馬。ファーストカラーのピンクの帽色は僚馬に与えられ、エネイブルの帽色はセカンドカラーの緑という扱いだった。

引退までパートナーを務めるL.デットーリとは続く英オークス前哨戦で初コンビを組んだ。これを2番人気で快勝すると、再び2番人気(タイ)で迎えた本番を5馬身差のレコードで制し、スター街道を駆け上がっていく。初の1番人気に推された愛オークスも圧勝すると、2週後のキングジョージ参戦が決定。デットーリは斤量54kgのエネイブルに騎乗するため、6日間で3.2kgの減量を敢行して見事に勝利へ導く。レース後には「彼女を誰にも渡したくなかった」と強い思い入れを打ち明けた。

その後、ヨークシャーオークスから凱旋門賞へ駒を進めたエネイブルは、好位差しの横綱相撲で英国調教の牝馬による初制覇を果たす。約1週後に翌年の現役続行が発表されると、デットーリは「生涯最高の牝馬」と喜びを爆発させた。破竹のG1レース5連勝でシーズンを締めたエネイブルは、カルティエ賞年度代表馬と最優秀3歳牝馬に輝いた。

3歳で欧州の頂点に立ったエネイブルだが、明け4歳は脚部不安により秋まで実戦から遠ざかった。9月の復帰戦は慎重を期してオールウェザーのG3を選択し、次戦の凱旋門賞へ望みをつないだが、本番では早めに抜け出した所を1歳下のシーオブクラスに急襲されてあわやの場面。それでも、持ち前の勝負根性で短クビ差を残し、史上7頭目の凱旋門賞連覇を成し遂げた。また、休養期間が長く疲労の心配もないことからBCターフにも遠征し、史上初となる凱旋門賞との連勝を実現。年度代表馬のタイトルを逃したものの最優秀古馬に選ばれ、受賞の6日後には5歳を迎える翌年の現役続行が発表された。

8か月の休養を挟んで始動した5歳シーズンはドラマチックなものとなった。初戦のエクリプスSを快勝したエネイブルは、次戦で前年に出走が叶わなかったキングジョージへと矛先を向け、最大の難敵と見られていたクリスタルオーシャンと直線で一騎打ちを展開。数々の名勝負を演出してきたデットーリが「キャリアの中でも一番厳しい叩き合い」と振り返るほどの死闘にクビ差で勝利する。その後は3歳時と同様にヨークシャーオークスから大目標とする凱旋門賞3連覇に挑むことになった。

しかし、前人未到の快挙がかかった凱旋門賞は快足ガイヤースが重馬場でハイペースを生み、先行馬が次々と脱落するサバイバル戦となった。ガイヤースを捕まえに動いたエネイブルは直線半ばで先頭に立つも、最後に脚勢が鈍った所をヴァルトガイストに強襲されて2着。最も強い内容を残したのは間違いなくエネイブルだが、入線後の鞍上には涙を拭う名手の姿があった。ただ、その後には朗報ももたらされた。エネイブルは年度代表馬に返り咲くとともに、翌年も凱旋門賞3勝目に挑戦することが決定。これにはデットーリも喜びを爆発させた。

凱旋門賞ただ一つに狙いを絞って6歳を迎えたエネイブルは、初戦のエクリプスSでガイヤースの後塵を拝すも陣営に焦りはなし。続くキングジョージはわずか3頭立てになると、これを楽勝してレース史上初の3勝目を達成し、格下相手のG3から満を持して3度目の凱旋門賞制覇に向かった。

ところが、新型コロナウイルスの猛威に振り回されたこの年の凱旋門賞は、何とも奇妙な戦況を見せる。エネイブルをしのぐ勢いで台頭した英オークス馬ラブの前売り人気が、週初から降り続く雨により徐々に後退。同馬を管理するA.オブライエン調教師が馬場状態を考慮して出走回避の決断を下す。さらに、厩舎で利用していた飼料から禁止薬物が検出されたとして、展開の鍵を握ると見られていた英ダービー馬サーペンタインら、オブライエン師が派遣していた残りの3頭までもが出走を見送ることになった。

これによりエネイブルの勝機は大きく拡大したかに思われた。しかし、前年以上に悪化した馬場状態の中で決戦の火ぶたが切って落とされると、レースは1年前とは対照的なスローペースで展開。中団で身動きできないまま直線を迎えたエネイブルは、瞬発力勝負に巻き込まれる形となってまさかの6着に沈み、敗戦の1週後には正式に引退が発表された。最後は不完全燃焼の格好になったが、エネイブルは4度参戦するだけでも異例の凱旋門賞に2勝の快記録を刻みつけてターフに別れを告げた。

基本情報

生年 2014
性別
毛色 鹿毛
Nathaniel
Concentric
母父 Sadlers Wells
調教師 J.ゴスデン
生産者 Juddmonte Farms
馬主 ハーリド・ビン・アブドゥラ・アール=サウード
通算成績 19戦15勝[15-2-1-1]

競走成績

開催日 場所 レース名 動画 着順 騎手 トラック 距離 馬場状態
2020/10/04 パリロンシャン 凱旋門賞(G1) 6 L.デットーリ 2400 不良
2020/09/05 ケンプトン セプテンバーステークス(G3) 1 L.デットーリ AW 2400
2020/07/25 アスコット キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1) 1 L.デットーリ 2390
2020/07/05 サンダウン エクリプスステークス(G1) 2 L.デットーリ 1990
2019/10/06 パリロンシャン 凱旋門賞(G1) 2 L.デットーリ 2400
2019/08/22 ヨーク ヨークシャーオークス(G1) 1 L.デットーリ 2370
2019/07/27 アスコット キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1) 1 L.デットーリ 2390 稍重
2019/07/06 サンダウン エクリプスステークス(G1) 1 L.デットーリ 1990
2018/11/03 チャーチルダウンズ ブリーダーズカップターフ(G1) 1 L.デットーリ 2400 稍重
2018/10/07 パリロンシャン 凱旋門賞(G1) 1 L.デットーリ 2400
2018/09/08 ケンプトン セプテンバーステークス(G3) 1 L.デットーリ AW 2400
2017/10/01 シャンティイ 凱旋門賞(G1) 1 L.デットーリ 2400
2017/08/24 ヨーク ヨークシャーオークス(G1) 1 L.デットーリ 2400 稍重
2017/07/29 アスコット キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1) 1 L.デットーリ 2390 稍重
2017/07/15 カラ 愛オークス(G1) 1 L.デットーリ 2400
2017/06/02 エプソム 英オークス(G1) 1 L.デットーリ 2410
2017/05/10 チェスター チェシャーオークス(L) 1 L.デットーリ 2270
2017/04/21 ニューベリー 条件戦 3 W.ビュイック 2010
2016/11/28 ニューカッスル 未勝利戦 1 R.ハヴリン AW 1600

距離別

距離 1着 2着 3着 4着以下 出走回数 勝率 連対 3着内率
~1400m 0 0 0 0 0 0% 0% 0%
1401m~1800m 1 0 0 0 1 100% 100% 100%
1801m~2100m 1 1 1 0 3 33% 67% 100%
2101m~ 13 1 0 1 15 87% 93% 93%

馬場状態別

馬場状態 1着 2着 3着 4着以下 出走回数 勝率 連対 3着内率
良馬場 10 1 1 0 12 83% 92% 100%
稍重馬場 4 0 0 0 4 100% 100% 100%
重馬場 1 1 0 0 2 50% 100% 100%
不良馬場 0 0 0 1 1 0% 0% 0%