【世界の馬主紹介 Vol.13】ピーター・ブラント(ホワイトバーチファーム)

2020年02月12日 14:00

アメリカの馬主。製紙会社のホワイトバーチペーパー社のチェアマン兼CEOを務める。近代美術のコレクターとしても知られるほか、多くの美術館に対する支援も行う。競馬には近年カムバックを果たして、シスターチャーリーソットサスなどで再び華々しい活躍を見せている。

ピーター・ブラントは1947年3月1日、アメリカ・ニューヨーク生まれ。ベルモントパーク競馬場やアケダクト競馬場で競馬を見て育った。

転機となったのは同じアメリカ人のポール・メロンが所有するミルリーフが勝った1971年のG1凱旋門賞を生で観戦したこと。この経験で競馬に大きく魅了されると、やがて馬主となり、G1英チャンピオンS、G1英インターナショナルS、G1アイリッシュチャンピオンS、それに日本の富士Sなどを制したトリプティク、G1ケンタッキーダービーとG1ベルモントSを制した米最優秀3歳牡馬スウェイル、G1・BCスプリントを制した米最優秀スプリンターのガルチなどを所有。ガルチや、その産駒でG1ケンタッキーダービーとG1ベルモントSを勝ち、米最優秀3歳牡馬に輝いたサンダーガルチなども生産した。

所有馬のシスターチャーリー(写真左)は米最優秀芝牝馬を受賞した。(Photo by Getty Images)

その後ポロのプレイヤーに集中するため競馬界から去ったが、2016年に復帰。2018年4月にシスターチャーリーでG1ジェニーワイリーSを制して復帰後初G1勝ちを収めると、シスターチャーリーはその後もG1・BCフィリー&メアターフやG1ビヴァリーD.Sを勝って同年の米最優秀芝牝馬を受賞。2019年にはシスターチャーリーがG1・3勝の活躍を見せたほか、フランスではソットサスがG1仏ダービーを制した。

近年のG1勝ち
2019年
フラワーボウルS(アメリカ):シスターチャーリー
アラバマS(アメリカ):ダンバーロード
ビヴァリーD.S(アメリカ):シスターチャーリー
ダイアナS(アメリカ):シスターチャーリー
仏ダービー(フランス):ソットサス

2018年
ハリウッドダービー(アメリカ):レイジングブル
BCフィリー&メアターフ(アメリカ):シスターチャーリー
サマーS(カナダ):フォグオブウォー
ビヴァリーD.S(アメリカ):シスターチャーリー
ダイアナS(アメリカ):シスターチャーリー
ジェニーワイリーS(アメリカ):シスターチャーリー

2017年
なし

2016年
なし

文:秋山 響(TPC)