【世界の馬主紹介 Vol.14】ゲイリー・ウエスト&メアリー・ウエスト

2020年07月22日 15:00

アメリカの馬主。夫であるゲイリーは1945年アイオワ州生まれ、妻メアリーは1946年フロリダ州生まれ。ゲイリーの父は小さなボーリング場を営んでいた。

2人はネブラスカ州のオマハで出会い1968年に結婚。ゲイリーはベトナム戦争に従軍していたこともあった。その後2人はテレコミュニケーションの会社で成功を収め、現在は慈善団体であるゲイリー&メアリーウエストファウンデーションを設立して、とくに老人福祉に尽力している。

初めて競走馬を所有したのは1981年のこと。クレーミングレースでわずか1万3500ドルで手に入れたこのジョーブローという馬は100戦近く走って21勝を挙げた。

夫妻が最初に持った大物は1993年のG2アーカンソーダービーを単勝109倍の大穴で制したロッカマンドゥー。同馬はG1ケンタッキーダービーにも出走した(シーヒーローの17着)。

2019年は所有馬のマキシマムセキュリティがG1戦線で大活躍した。(Photo by Getty Images)

G1初制覇はマングースで挙げた2002年のG1ドンH。同年にはブッダでG1ウッドメモリアルSも制した。

近年は所有馬の活躍が目立っており、2013年にはニューイヤーズデイでG1・BCジュベナイルを制してブリーダーズカップ初勝利をマークしたほか、2017年にはウエストコーストでG1トラヴァーズSとG1ペンシルベニアダービー、2018年にはゲームウィナーでG1・BCジュベナイル、G1デルマーフューチュリティ、G1アメリカンファラオSに優勝。さらに2019年にはニューイヤーズデイ産駒のマキシマムセキュリティでG1ケンタッキーダービーでは1位入線17着降着の憂き目にあったものの、同馬でG1フロリダダービー、G1ハスケル招待S、G1シガーマイルHに優勝した。

近年のG1勝ち
2019年
シガーマイルH(アメリカ):マキシマムセキュリティ
ハスケル招待S(アメリカ):マキシマムセキュリティ
フロリダダービー(アメリカ):マキシマムセキュリティ

2018年
BCジュベナイル(アメリカ):ゲームウィナー
アメリカンファラオS(アメリカ):ゲームウィナー
デルマーフューチュリティ(アメリカ):ゲームウィナー

2017年
ペンシルベニアダービー(アメリカ):ウエストコースト
トラヴァーズS(アメリカ):ウエストコースト

2016年
なし

文:秋山響(TPC)