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【世界の調教師紹介 Vol.31】ジョン・シレフス

2020年06月24日 15:00

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アメリカ・カリフォルニア州に拠点を置くジョン・シレフス調教師は1945年6月1日、カンザス州生まれ。父がニューハンプシャー州に持っていた牧場で幼少期を過ごし、その後ニューヨーク州に移った。

その後、ベトナム戦争に海兵隊員として従軍。いったんはハワイでサーファーになったが、やがて友人に会うために訪れたカリフォルニアでホットウォーカーの職を得て競馬界でのキャリアをスタート。そこから牧場でも経験を積んで、1978年に調教師免許を取得した。

当初は北カリフォルニアで小規模な厩舎を経営していたが、1994年にマーシャル・ネイフィーが率いる505ファームズの専属調教師となると、同年に505ファームズが所有するバートランドでG2グッドウッドHを制して重賞初制覇。1999年には同じく505ファームズのマニスティークでG1サンタマルガリータ招待Hを制してG1初制覇を果たした(マニスティークはその後G1ヴァニティHやG1サンタマリアHにも優勝)。

2000年にネイフィーが亡くなり505ファームズが解散すると、パブリックトレーナーとして活躍。2005年には単勝51.3倍の人気薄ジャコモでG1ケンタッキーダービーに優勝した。

アメリカ競馬史に大きなインパクト与えたゼニヤッタはシレフス調教師の管理馬。(Photo by Getty Images)

これまでシレフス調教師が手がけた最高傑作と言えるのが、ジャコモと同じモス夫妻の所有馬で、2010年に米年度代表馬に輝いたゼニヤッタ。同馬は3歳(2007年)11月のデビュー戦から、牝馬として史上初の優勝を果たしたG1・BCクラシック(2009年)を含む19連勝(G1は13勝)を記録。引退レースとなった2010年のG1・BCクラシックでは追い込み届かずブレイムのアタマ差2着に終わったが、希代の名牝としてアメリカ競馬史にその名を刻んだ。

また2010年にはライフイズスウィートでG1・BCレディーズクラシックに優勝して、前年のゼニヤッタに続いて同レースの連覇を達成。近年では2017年のG1サンタアニタダービーを制したゴームリー、2019年のG1ラブレアSを制したハードノットトゥラブ、2020年のG1サンタアニタダービーを制したオナーエーピーなどが活躍している。

近年のG1勝ち
2020年
サンタアニタダービー(アメリカ):オナーエーピー

2019年
ラブレアS(アメリカ):ハードノットトゥラブ

2018年
なし

文:秋山 響(TPC)