【香港国際競走現地レポート】関係者を直撃!陣営の手ごたえは!?

2022年12月08日 16:10

香港の現地水曜日は日本人プレスも増えて、コロナ以前の雰囲気が戻ってきた。日本馬は水曜に追い切った馬も多く、その多くは検疫厩舎隣接の角馬場で調整。ここでは、木曜に芝コースで追い切った2頭の調教師談話をご紹介しよう。

グローリーヴェイズについては712月ということで状態や能力レベルの維持が気になる方が多いことだろう。尾関知人調教師にその点を伺ったところ、

「年齢の影響があるとしたら、仕上がるまでに時間がかかるということでしょうか。ドバイ(シーマクラシック・8着)の敗因にはそのあたりもあったと思うので、今回は早めに(美浦に)入れて調整してきました。しっかり仕上げてこられたのでデキについては過去2回優勝したときと同じレベルにあると思います。今年の中では一番ですね。納得のいく形でレースに送り出すことができます」とのこと。

グローリーヴェイズで香港ヴァーズへ臨む尾関調教師 (Photo by Kazuhiro Kuramoto)

海外遠征に慣れている馬なので、環境への順応ももちろん問題はない。相手関係などの話では慎重な姿勢を崩さない師だったが、状態についてはポジティブに捉えてよさそうだ。

 枠順については抽選会前に聞いたところ「沙田の2400mならどこを引いても大丈夫ですよ」

と語っていた師だが、自ら引いたゲート番号は4番。極端なところでない、良い枠順ではないだろうか。

ジオグリフを管理する木村哲也調教師 (Photo by Kazuhiro Kuramoto)

 ジオグリフの木村哲也調教師は囲み取材で、「香港に来てから日ごとに環境に適応しているという印象で、昨日の夕方には『環境を受け入れてくれたな』と確認できたので、本日ある程度強い調教を行いました。芝コースで単走でしたが、いつも通り順調に行えたと思います」

とコメント。馬場適性については、

「まだちょっと読めないですね。当日のコンディションが次第ということもあるでしょうし」

と、まだ慎重な姿勢だった。

 金曜の調教については「今日の夕方、馬を見てから決めます」とのこと。ゲートのスクーリングが金曜限定なので馴致はそちらを優先し、パレードリングについては未定とのコメントだった。

ナランフレグの丸田恭介騎手。高松宮記念と同じ2番ゲートスタートとなった (Photo by Kazuhiro Kuramoto)

枠順抽選会場では、ナランフレグの丸田恭介騎手にお話を伺った。過去のVTRをかなり見たようなのだが、

「ナランフレグみたいな極端な(追い込み)脚質の日本馬が過去にいないのでそのまま参考にはならないですね(笑)」

と笑いつつも、予習は十分の様子。

 レースプランについても伺ったが、他陣営へのネタバレになりうるのでここには記さない。ただ、相手関係や展開、捌き方などについてかなり研究を深めている様子だったということはお伝えしておく。

「レース前半のポジション争いに参加することはないというか、参加できない馬なので、逆にそこを生かしていきたい」

と丸田騎手。直線一気で「世界の丸田」になってほしいところだ。

 枠順抽選会場では矢作芳人調教師、藤岡健一調教師、安田隆行厩舎の安田景一朗助手にもお話を伺ったのだが、その内容については明日お届けする。

(取材、文:須田鷹雄)