【来年こそは香港へ!~香港競馬観戦ガイド】 第2回:競馬新聞と場外馬券売り場
2024年12月06日 18:25
来年こそは香港競馬へ、という方にガイド的な内容をお届けする第2回。今回は競馬新聞の入手と、場外馬券売り場についてご紹介します。
まずは競馬新聞。日本では競馬場に行けばそこで専門紙を売っていますが、香港ではそうはいきません。iRaceという初心者向けの簡易な専門紙が指定席などで手に入ることはありますが、基本的には「売っていない」と思っておいたほうがよいです。HKJCの公式ブログラムもありますが、これは公衆席(一般エリア)では入手困難、会員席(メンバーエリア)のインフォメーションで手に入ることはありますが、部数は限られています。
では、いわゆる「競馬新聞」にはどんな種類があり、どこで買えるのでしょうか?
買えるのは、駅の近くや大きい道路にある露店です。最近は店舗数が減っているので、見つけたら買っておくか、店の場所を覚えておきましょう。昼開催の競馬場に向かう前だと露店が開いていないので、前日までに買っておくのが無難です。
競馬新聞には雑誌タイプと新聞タイプがあります。新聞タイプは地元の高齢者がよく使っていますが、情報も少なく観光客向けではありません。雑誌タイプ、中でも「新報馬簿」がおすすめです。広東語ですが、漢字の意味からかなりの割合を類推できます。騎手名だけは知識がないと分からないので、スマホで香港ジョッキークラブのホームぺージ・英語版に行き、見比べるとよいでしょう。
ちなみに露店で「新報馬簿はありますか?」は広東語で「ヤウモウ、サンポウマーボ」といいます。これがわりと通じるので、広東語を喋れた気分にもなります。
さて、露店が見つからない場合、あるいはどうしても英語でないと嫌だという場合はどうしたらよいでしょうか?
コンビニで売っているのが、一般の新聞です。「星島日報」や「東方日報」といった新聞には、中に競馬面があり、そこだけを抜き取って使えるようになっています。日本のスポーツ紙・夕刊紙で競馬面だけ抜き出せるのと一緒です。
英語でないとだめ、という場合は当日朝に「サウスチャイナモーニングポスト」を買ってください。競馬開催日には中に「レーシングポスト」という競馬面があり、それを参照しながら馬券を買うことができます。
もうひとつ頼りになるのが、先に触れたHKJCのサイトです。中にはいろいろメニューがあるので、競馬コーナーのうち、ローカル開催情報の英語版→出馬表、のところをブックマークしておくとよいでしょう。
残念ながらアプリは、いまのところ投票会員用しかないようです。しかしサイトでオッズや結果を見ることができます。
続いて、場外馬券売り場についてご紹介します。香港まで行って競馬場に行かず場外だけ行くということはないでしょうが、競馬ファンなら「一応場外を見ておきたい」という気持ちはありますよね。
HKJCの場外馬券売り場は以前よりもやや数が減っていますが、それでも香港全体に80か所以上あります。場外馬券売り場はこちら。
規模の大小はありますが、商店街の中にいきなり場外馬券売り場が出てくる感じです。青色の看板とHKJCのマークが目印です。
場外馬券売り場ではレース前日の前売り開始からレース当日まで馬券を売っているほか、基本的には毎日、サッカーくじ(足智彩)や宝くじ(六合彩)を売っています。
サッカーくじは賭け方がいろいろあって複雑ですが、いちばんシンプルな「主客和」なら観光客でも買えるでしょう。主=ホームと客=アウェイどちらが勝つか賭けるもので、延長戦は含まれないので和=引き分けもそれなりの確率で起こります。全場=90分終了時点に賭けるものと、半場=ハーフタイム終了時の結果に賭けるものもあります。
宝くじはマークシックスともいい、1~49の数字を選びます。6つの数字と予備数字が抽選され、6つの数字がすべて自分の買い目に入っていたら高額配当となります。数字を7つ以上選ぶこともできますが、購入点数が多くなります。頭獎という1等はかなりの配当なのでそれを受け取りに香港まで戻ってくる価値がありますが、当たった数字が少ない、六獎や七獎といった低額配当が当たってしまったときは困りものですね。滞在中に抽選があるときだけにするのがよいかもしれません。
場外馬券売り場については、最近ひとつの動きがあります。それはHKJCが競馬のイメージ向上や若者ファン獲得のために始めた「おしゃれ場外+カフェ」です。
現在、6か所(うち2か所は同じビルのフロア違い)に展開されているこの試みは、普通の場外よりもおしゃれなデザインの場外を設け、その隣にカフェを併設するというものです。カフェは開催日には予約必須で、予約したテーブルで食事をしつつ場外馬券を楽しむことができます。非開催日は予約不要で、単なるカフェとして営業しており、隣の場外馬券売り場と繋がっています。
今回そのうちのひとつ、湾仔にある「KEIBA」というお店に行ってきました(非開催日)。通常HKJCの施設は青色が基本なのですが、ここは落ち着いた深緑と茶色をベースに、おしゃれで重厚感あるデザインになっています。
カフェのテーマは「日本の洋食」なのですが、実際のメニューは洋食ばかりではなく、「鮭の西京焼き重」とか、そんなものもあります。ちなみに2600円もしました……。この原稿をHKJCの人が読んでいないことを祈りますが、正直食事はお高い&いまひとつなので、無理にカフェを利用せず、場外側からちょっと覗くくらいでもいいでしょう。日本がテーマのカフェなので、ゴールドシップやタマモクロス、ヤエノムテキのポスターが飾られていたりします。
場外馬券売り場のほうは通常と同じ機能で、外装内装がお洒落というだけです。気のせいかもしれませんが、客層は普通の場外より少し良いような気がします。
この「おしゃれ場外+カフェ」、一覧へのリンクを貼っておきます。HKJC「おしゃれ場外+カフェ」はこちら。
行きやすい店舗があったら、レース前日に前売り馬券を買うとか、サッカーくじを買ってみるとか、そういう目的で行ってみてください。もちろん通常の場外も一度見ておく価値はあります。必ず有人窓口はありますし案内の人間もいます。たぶん、ですが一人くらいは英語も解すると思います。
(取材、文:須田鷹雄)