エネイブルが英G3で復活の狼煙! ゴスデン師は凱旋門賞行きを明言

2018年09月09日 09:30

 現役最強牝馬エネイブルが、現地8日にケンプトン競馬場で行われたG3セプテンバーステークス(3歳以上、オールウェザー12ハロン)で待望の戦列復帰を果たし、2着のクリスタルオーシャンに3馬身1/2差をつけて逃げ切った。

 4頭立てとなったレースはエネイブルが単勝1.53倍、クリスタルオーシャンが2.5倍、残り2頭は67倍以上と2頭に人気が集中。レースも両馬の一騎打ちに終始し、好スタートを決めたエネイブルが背後からクリスタルオーシャンのマークを受けながら進んだ。折り合いも良く、ゆったりとしたペースで逃げたエネイブルは、最終コーナーから直線入口にかけてクリスタルオーシャンを引きつけると、残り3ハロン標識を合図にスパート。並ぶ勢いで迫ってきたクリスタルオーシャンに、瞬発力の違いを見せつけるように突き放してゴールを駆け抜けた。

 5月にひざの故障が発覚し、昨年の凱旋門賞を最後に実戦から遠ざかっていたエネイブル。11か月ぶりの復帰戦を見届けたJ.ゴスデン調教師は「スイッチが入るだろうね。ここには80%の状態で来たし、レースを経験したことで上積みがあるだろう。完ぺきなトライアルだった」と納得のコメント。「復活したね。4週間後の凱旋門賞にたどり着けるのを願うばかりさ」と、連覇がかかる大一番への参戦を明言した。

 また、主戦のL.デットーリ騎手は「クリスタルオーシャンのおかげで彼女の信頼性が増したよ」と価値ある勝利に自信を深めるとともに、「彼女は今までと変わらず良いままだった。上積みがあるだろうし、パリロンシャン(凱旋門賞)を待つばかりさ」と復活を喜んでいた。

 なお、2着に敗れたクリスタルオーシャン陣営では、M.スタウト調教師のJ.ホーントン助手が「非常に満足しています。トップクラスの牝馬より8ポンド重いのは大変ですしね。あまり厳しいレースはしたくないので自分たちの形に徹しました」と、エネイブルより約3.5kg重い61.5kgの斤量を負担していたことに言及。「秋の目標が何であろうと、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスから1戦しておきたかったのが使った理由です。彼は芝の方が良い馬でしょう。フランス(凱旋門賞)を考えることになると思います」と、エネイブルとの再戦に意欲を見せていた。