女性騎手ドイルとトゥルーシャン、王者回避の英G1グッドウッドCを制す

2021年07月28日 11:45

 英グロリアス・グッドウッド開催初日のG1グッドウッドカップ(3歳以上、芝16ハロン)が現地27日に8頭により争われ、1番人気トゥルーシャンが女性騎手のH.ドイルを背に好位追走から早め先頭の形を作って完勝した。

 発馬を決めたトゥルーシャンは3番手につけるも中間点付近まで力みの目立つ追走。後半を迎えて2番手に上がるとようやく落ち着く一方、ドイル騎手が直線早々に先頭に立たせる強気な騎乗で残り2ハロン余りを押し切った。3馬身3/4差の2着に最低人気のアウェイヒーゴーズ、さらに1馬身1/2差の3着には2番人気のサーロンプリーストリーが入線。3番人気で昨年の愛ダービー馬サンティアゴは4着、4番人気で同じく英ダービー馬サーペンタインは6着に終わり、このレースを4連覇中のストラディバリウスは馬場状態(重)を理由に直前で回避した。

 トゥルーシャンは昨年10月の英チャンピオンズロングディスタンスカップ以来となる2度目の重賞勝ちでG1初制覇。ドイル騎手は同日の英チャンピオンズスプリントステークスに続く2度目のG1勝利で、主に障害で活躍するA.キング調教師は平地G1初制覇となった。

 ドイル騎手は「序盤の彼は元気いっぱいで、誰も行こうとしなかったし、もう少し流れてくれないかと思ったわ。中盤では『どうにかしなければ、このままラチ沿いに捕まっている訳にはいかない、上がり勝負になってしまう』と思ったの」「どうにか先頭の横につけたら彼はしっかり折り合って、進んでいくほど良くなっていった」と勝負の分かれ目を振り返っている。

 なお、戦わずしてグッドウッドCの5連覇をあきらめることになったストラディバリウスのJ.ゴスデン調教師は「昨年の我々はセーヌ河畔で底なしと化したロンシャン(=凱旋門賞)で馬鹿げた決断をした。彼は嫌がっていた。その後、アスコットのチャンピオンズデーの不良馬場で彼を走らせたのも愚かなことだった。2度のミスを犯したから、またそうするつもりはない」と道悪で敗れた2戦に言及。今後は順調ならロンズデールカップを目標とし、その後はドンカスターカップなどを検討するとコメントした。