【ブリーダーズC】矢作師愛馬2頭で米国制圧、西海岸開催はビッグチャンス

2021年11月04日 11:32

<Big Challenge 日本馬初のBC制覇へ(3)>

 リアルスティール、リスグラシュー、ラヴズオンリーユーで海外G1を制している矢作芳人調教師(60)がブリーダーズCに初挑戦する。米国西海岸デルマー競馬場での開催は、厩舎開業17年目に巡ってきたビッグチャンスだ。

矢作師 昔から言っているけど、BCに挑戦するのは西海岸の時というのが持論。ロスまでの直行便があるし、経由がないからね。ヨーロッパから遠いのもある。(東海岸で)芝だと欧州の馬が有利だから。今年はすべてが整った。

 フィリー&メアターフ(芝2200メートル)に出走するラヴズオンリーユーは今春、香港でクイーンエリザベス2世Cを勝った。満を持しての米国遠征に自信をのぞかせる。

矢作師 道悪があまりよくないけど、西海岸はほとんど雨が降らない。年を重ねるごとに良くなって、リスグラシューに近いものを感じている。芝は日本の洋芝と変わらないと俺はとらえている。だから札幌記念(2着)を使ったというのもある。

 ディスタフ(ダート1800メートル)に挑むマルシュロレーヌは海外初遠征。こちらは本場米国でも通用するダート適性を見込む。

矢作師 アメリカのダートは日本とは全く異質で、芝もこなせる馬が適応すると思ってきた。そういった意味でもマルシュは芝も勝っている馬(3勝)だし、挑戦に値すると思う。

 開業前から掲げてきたのが凱旋門賞制覇だ。憧れる欧州G1の前にまずは米国制圧を狙う。「BCはアメリカでは祭典中の祭典。日本の馬はまだ勝ったことがないし、初めて勝ちたいという思いは強い」。手塩にかけた牝馬2頭で米国競馬史にその名を刻む。【藤本真育】(つづく)

出典:日刊スポーツ