【ブリーダーズC】世界最強を決める場 メディアも大注目「米国競馬の祭典」
2021年11月08日 17:35
<BCフィリー&メアターフ>◇6日(日本時間7日)=米デルマー◇G1◇芝2200メートル◇出走12頭
米国競馬の祭典で、歴史が動いた。ディープインパクト産駒ラヴズオンリーユー(牝5、矢作)と川田将雅騎手(36)が日本初の快挙を達成した。
<解説>
好位からゴール前で抜け出して殊勲のV。84年創設のブリーダーズC(BC)で日本人騎手、日本調教馬の勝利はいずれも史上初。3レース後の「砂の女王決定戦」BCディスタフ(ダート1800メートル)では同じ矢作厩舎のマルシュロレーヌ(牝5)が金星を挙げ、日本馬が2勝と快挙が拡大した。
年間2万頭近いサラブレッド生産頭数を誇る競馬大国の米国で、種牡馬や繁殖牝馬を所有する生産者が資金を捻出し合って生まれた高額賞金レースがBCだ。距離別、馬場(ダートか芝)別、性別ごとに各カテゴリーの王者を決める開催として84年に誕生。1つの競馬場で行われるのではなく、年ごとに持ち回りで開催されるのが大きな特色。3歳馬だけが出走できるケンタッキーダービーも有名だが、シーズンを締めくくる「米国競馬の祭典」として世界中の競馬関係者やファンに認識され、大手放送局「NBC」が全米に放映する。
フランスの凱旋門賞は出走馬がほぼ欧州で調教されている馬で占められているのに対し、BCは北米(米国、カナダ)だけでなく、欧州、南米、アジアからの出走馬もいる。そのため、正式名称は「ブリーダーズカップ・ワールドチャンピオンシップ」。メジャーリーグのワールドシリーズのようになんでも“ワールド”をつければいいわけじゃないが、開催競馬場内には日本を含めた各国の旗がはためき、メディアも世界中から集まってくる。まさしく世界最強を決める場だ。【木南友輔】
◆BC ブリーダーズカップ。1984年創設。今年で38回目。北米の競馬場が毎年持ち回りで開催。当初の7レースから徐々に増加し今年は14レース。日程は11月1週目で08年以降は現地金土の2日間。