バファート師のライセンス停止、各州の相互主義により全米で執行へ
2022年04月06日 13:35
昨年のケンタッキーダービーで管理馬のメディーナスピリットから禁止薬物が検出され、ケンタッキー州競馬委員会(KHRC)により90日間のライセンス停止などの処分を下されたB.バファート調教師が、米国内の主要競馬団体から同様の措置を取られる見込みとなった。
バファート師を巡る一連のスキャンダルについては『bloodhorse.com』などの競馬メディアをはじめ一般メディアでも取り上げられているが、バファート師がKHRCの処分差止を求めて行った緊急請求も現地4月1日の控訴審で棄却。当初は3月8日から6月15日とされていたライセンス停止期間が、4月4日から7月2日までの90日間に改められて執行されることになった。
この決定を受け、バファート師が拠点を置くカリフォルニア州競馬委員会(CHRB)は現地2日、規定に則りバファート師の調教停止だけでなく、同委員会の管轄する全施設への立ち入りを禁止。4日にはニューヨーク州賭博委員会もバファート師の管理馬に対して出走停止とする発表を行った。なお、ニューヨーク州における処分期間には「最低でも7月2日まで」との注釈がある。
カリフォルニア州やニューヨーク州らは、州外で決定された様々な種類の停止処分について相互主義を取る38州の中に含まれており、ケンタッキー州で下されたバファート師への処分は事実上、全米に波及するものと見られる。
バファート師はメディーナスピリットの失格が決定した後も調教業務とレース参加を続け、カントリーグラマーでドバイワールドカップなどを制してきたが、処分決定に先立ってメッシエーがT.ヤクティーン調教師に預けられるなど、有力3歳馬の多くはすでに転厩している。
また、90日間のライセンス停止中にケンタッキーダービーが終了することから、チャーチルダウンズ競馬場などを所有するチャーチルダウンズ社(CDI)がバファート師に科した2年間の出走停止措置について、現地4日にバファート師と弁護団は差止請求を取り下げた。