キングエルメスの矢作師「ジュライCを勝ちたいと夢見てきました」
2022年07月06日 11:46
日本の矢作芳人調教師はビッグレースの勝利と無縁ではない。そして今、彼の目はキングエルメスとともにジュライカップに定められている。“帽子の男”は近年、世界中で比類なき成功を収め、ブリーダーズカップで一段高みへと飛び上がった。
コントレイルでジャパンカップを勝つ前にデルマーの(BC)フィリー&メアターフとディスタフを、ラヴズオンリーユーとマルシュロレーヌで制したことは大きく報じられ、ラヴズオンリーユーは香港カップも、その後にパンサラッサとステイフーリッシュ、バスラットレオンがドバイワールドカップナイトで続いた。
2000年に日本のアグネスワールドがジュライカップで成功を収めているが、今回は矢作師にとってもう一つの初めてとなるかもしれない。そして、矢作師にはニューマーケットの経験もある。
「ジュライCとジュライコースは特に好きですね。勝てたら光栄ですし、そんな幸運なことが起きれば非常にうれしいのですが」という矢作師。「32年前にここへスカラシップで研修に来て、ジェフ・ラッグ調教師の下で3カ月間働いたので、英国にはもっと多くの馬を連れてきたいんです」「ジュライCを勝ちたいと夢見てきました。私がどれほどこのレースとコースが好きで、楽しみにしているかということです」と熱く意気込みを語る。
キングエルメスは現地5日に競馬場で調教を行ったが、その様子を見届けた矢作師は「最後の1ハロンでスピードが落ちたのは少し気になりますが、恐らく上り坂のせいでしょう。この調教は馬に(レース)当日の走り方を理解させるためのものです」と感想を述べている。
また人馬については「(キングエルメスは経験不足ではないかと)心配していましたが、今日の様子を見てジュライCでも対応できるだろうと自信を持ちました」「ビザの問題があってジョッキー(坂井瑠星騎手)は英国で乗るのが初めてですが、彼はドバイにサウジアラビア、オーストラリア、フランスで騎乗経験があるので心配していません」と信頼を寄せている。