英G1ジュライC挑戦のキングエルメスは完敗、アルコールフリーが“実験成功”

2022年07月10日 09:52

 英G1ジュライカップ(3歳以上、芝6ハロン)が現地9日にニューマーケット競馬場で行われ、6番人気のアルコールフリーが逃げ粘る2番人気ネイヴァルクラウンをゴール前の上り坂で捕らえると、1馬身1/2差をつけて快勝した。

 レースはネイヴァルクラウンが抜群のスタートを決めて先頭に立ち、隣の大外枠から出たアルコールフリーは2馬身ほど後ろで中間点を通過。最後の1ハロンでネイヴァルクラウンを捕らえ、ほとんど並ぶ間もなく決着をつけた。さらに1/2馬身差の3着には豪州から遠征中の5番人気アルトーリアスが続いた。

 日本から遠征中のキングエルメス(11番人気タイ)はアルトーリアスとともに発馬で後手を踏むも、すぐに行き脚がついてアルコールフリーと同じ3列目付近を追走した。しかし、中間点からペースが上がりはじめると徐々に苦しくなり、ラストスパートでは坂井瑠星騎手のステッキにも反応できず11着に終わった。

 アルコールフリーは昨年7月のG1サセックスステークス以来となる1年ぶりの白星で4度目のG1制覇(重賞は5勝目)。サセックスS後は10ハロンの英インターナショナルステークスで6着に終わり、マイルに距離を戻すも結果を出せないまま前走からスプリント戦に挑んでいた。

 前日のファルマスステークスに続く2日連続のG1勝ちとなったR.ホーンビー騎手は「今日の6ハロンは実験だった。彼女はスピードにあふれているけど、マイルがとても合っていると我々は考えていた」「このレースでは彼女のスタミナが(最後の)上り坂で発揮されるのではないかという考えが、その通りになったんだ」とコメントしている。

 なお、A.ボールディング調教師はアルコールフリーの次戦をサセックスSと明言。連覇を賭けて無敗のマイル王バーイードに挑戦する。