豪州の女傑ベリーエレガント、除外濃厚で凱旋門賞への追加登録を見送り

2022年09月29日 11:31

 豪G1を11勝の実績を持ちながら欧州移籍後の2戦の結果でレーティングが大幅に下がった女傑ベリーエレガントが、予定していた現地10月2日の仏G1凱旋門賞で競走除外となることが濃厚であることから28日の追加登録を見送った。これで同馬の凱旋門賞挑戦はゲート入り前に終止符が打たれたことになる。

 昨年の豪G1メルボルンカップなどオーストラリアで数々のG1を制してきたベリーエレガントは、今年5月に凱旋門賞への参戦を目標にフランスのF.グラファール厩舎へ移籍。ところが体調がなかなか整わなかったこともあって欧州デビュー戦が遅れ、8月21日の仏G1ジャンロマネ賞は最下位の7着、9月11日の仏G2フォワ賞も3着までだった。

 この結果を受け、フランスのハンデキャッパーはベリーエレガントのレーティングを豪州時代の120から113までダウングレード。このため凱旋門賞に追加登録したとしても出走順位は22位どまりとなり、20位までの出走可能範囲外となっていた。

 グラファール調教師は「フランス当局、フランスのハンデキャッパーたちに対し、私は非常に、非常に怒りを覚えている」「私たちは若手調教師として、競馬というスポーツの普及を推進し、世界的に競争力のあるものにしようと懸命に努力している。常に門戸を開き、勝負しようとしているが、フランスギャロがそれをあらゆる局面で難しくしている」と、自身の母国でもあるフランスの競馬統括機関を厳しく非難。

 さらに「今回のベリーエレガントは、フランスがいかにオープンでないかを示すまたとない好例となった」「これは非常に腹立たしいことで、スポーツ全般にとって良いことではないと思う。私は祖国の競馬界に対して激怒するとともに、オーストラリアの全ての競馬ファンに謝罪しなければならない」と続けていた。

 なお追加登録馬が1頭もなかった一方でウエストウインドブローズが出走を取り消したため、現時点では仏G1ヴェルメイユ賞3着のラパリジェンヌ、仏G2ニエル賞で日本から参戦したドウデュースに先着(3着)のトゥルーテスタマン、重賞実績皆無のルデストリエの3頭が除外対象となっている。