アルマンゾル産駒のマンゾイス、息の長い末脚で豪G1ヴィクトリアダービー制覇

2022年10月30日 11:32

 豪G1ヴィクトリアダービー(3歳、芝2500m)が現地29日にフレミントン競馬場で16頭により争われ、6番人気マンゾイスが中団後ろ寄りの位置から直線で馬場の中央に持ち出され、内から先に抜け出した1番人気シャープンスマートをゴール前で差し切った(0.5馬身差)。

 マンゾイスは五分の発馬から序盤は中団につけるも、隊列が縦に伸びるに従い後方5、6番手に控えて残り1000mを通過。直線では馬場の中央に持ち出されてスパートし、道中5、6番手から馬場の三分所に出たシャープンスマートを息の長い末脚で差し切った。

 さらに1.25馬身差の3着には補欠から繰り上がり出走の14番人気アバーフェルディボーイが続き、2番人気のバークリースクエアはシャープンスマートと並んで直線に突入するも、馬群の後ろで追いづらく6着まで。4番手追走のディープインパクト産駒ムラマサ(5番人気)は勝ち馬から3.5馬身差の5着、リアルインパクト産駒のベラルディーノ(11番人気)は勝ち馬の内に並んで直線に入り、ムラマサと0.2馬身差の7着に善戦した。

 マンゾイスはアルマンゾル産駒の牡馬で2歳最終盤の今年7月28日にデビュー。明け3歳の8月13日に2戦目で初白星を挙げた。その後はG3ミンダイナスティクオリティ(9着)、前走のG1スプリングチャンピオンステークス(8着)など3連敗し、6戦目で手にした2勝目がG1のタイトルとなった。

 マンゾイスを勝利に導いたM.ディー騎手はコーフィールドカップに続くG1勝利。同日付けの豪競馬メディア『racing.com』は「私が大きなG1を2つ勝つと春を迎える前に言われたら笑っていただろうね。本当に非現実的だし、続けば良いのだけど」「クリス・ウォーラー調教師と厩舎チームに感謝するばかりさ」という喜びの声を伝えている。

 なお、現役時代に仏ダービーなどG1レースを3勝したアルマンゾルは種牡馬としてG1初制覇。欧州からニュージーランドにもシャトル供用され、現地では昨季のファーストシーズンサイアーと2歳リーディングサイアーの双方に輝いた。初年度産駒はここまで延べ36頭の出走で計13勝を挙げ、マンゾイスもその中の1頭とニュージーランド・サラブレッド・レーシングの公式サイトが紹介している。