デットーリ騎手が伝統のイボアHを連覇、勝ち馬とのコンビでメルボルンC参戦も
2023年08月27日 10:39
現地26日、英ヨーク競馬場で伝統のイボアハンデキャップ(4歳以上、芝14ハロン)が22頭により争われ、L.デットーリ騎乗の2番人気アプサードが好位追走から直線で外ラチ沿いを抜け出し、食い下がる1番人気スウィートウィリアムを1/2馬身抑え込んだ。
大外枠のアプサードは序盤をじっくり運び、R.ムーア騎乗の3番人気リアルドリームの後ろにつける。2頭は他の20頭から離れてコースの外目を直進すると、向正面の中間付近に待つ緩やかなカーブで集団に合流。リアルドリームは2020年の英セントレジャーで2着のバークシャーロッコ(14番人気タイ)と先頭に並び、アプサードは好位の外5、6番手に収まった。
アプサードは徐々に進出しながら直線に入ると残り3ハロン付近で手応え良く先頭へ。中団追走のスウィートウィリアムと6番人気リブユアドリームが、外へ向かう馬群の内側から労せず抜け出して食い下がり、最後の2ハロンを3頭で叩き合ってアプサードが押し切った。
リブユアドリームはさらに1/2馬身差の3着に後れ、リアルドリームは19着に大敗。このレースから豪メルボルンカップを狙う予定のスクリプトライター(7番人気タイ)は、2、3着馬と並ぶように馬群の外を追走するも、勝ち馬の後方から入った直線では進路の確保に手間取り8着に終わった。
アプサードはW.マリンズ調教師が管理するファストネットロック産駒の5歳セン馬。フランスのヴェルテメール兄弟が所有して2020年11月にC.ラフォンパリアス厩舎からデビューし、今年5月に現在のオーナーに売却され転厩した。移籍後は障害2戦を含む3戦し、唯一の平地戦はロイヤルアスコット開催のハンデ戦(コッパーホースハンデキャップ)でメルボルンC遠征を視野に入れる僚馬ヴォーバンの2着だった。
なお、障害戦線で名を馳せるマリンズ師はセセンタで制した2009年以来となるイボアH2勝目、デットーリ騎手は昨年のトローラーマンに続く連覇で、2012年のウィリングフォーと合わせて通算3勝目とした。
英競馬メディア『attheraces.com』などによると、デットーリ騎手は大レースの中でも取り残しているメルボルンCについて「自分がオーストラリアに行くから(メルボルンCで乗せてくれるよう)考えてくれとウィリー(マリンズ師)に言ったんだ。それで彼もそうすると言ったから、我々は行けるかもしれないね」と期待を込めたコメント。マリンズ師はオーナーと相談と断りつつ、可能性は十分にあることを示唆している。