J.ドイル騎手がゴドルフィンを“卒業”、ワスナンレーシングと優先騎乗契約

2023年11月01日 14:46

 ゴドルフィンの英国における契約騎手として活躍中のJ.ドイル騎手が、今季の契約満了をもって更新せず、来年からカタールのタミム殿下が率いるワスナンレーシングの主戦として優先騎乗契約を結んだことが明らかになった。ワスナンレーシングが現地10月30日にリリースした。

 ドイル騎手はジャドモントを率いた故ハーリド・アブドゥラ殿下の主戦としてキングマンなどに騎乗。2015年にゴドルフィンと契約して当初はS.ビン・スルール厩舎の主戦騎手だったものの、2016年に地位を失ってC.アップルビー厩舎に吸収されるような形となり、W.ビュイック騎手のバックアップを務めてきた。

 新たに契約することになったワスナンレーシングは新興の馬主組織で、今年のロイヤルアスコット開催でG1英ゴールドカップを制したクラージュモナミ、同じくG2クイーンズヴァーズ勝ちのグレゴリーらを所有。タミム殿下の弟のジョアン殿下もアルシャカブレーシングを組織し、凱旋門賞連覇のトレヴなど数々の大レースを制している。

 ドイル騎手は今回の契約について「身に余る光栄」と喜ぶ一方、「どの騎乗機会も文字通りに楽しく素晴らしい時間だった」と9年間にわたってサポートを受けたゴドルフィンのモハメド殿下やアップルビー師に感謝。「これは新しく途方ない冒険で1月からのスタートを待ち切れない」と来季への期待を表明している。

 また、アップルビー師もレベルスロマンスで制した昨年のブリーダーズカップターフを最高の騎乗に挙げるなど、ドイル騎手の貢献を称賛するとともに今後の活躍にエールを送り、新オーナーの許可があれば今後もドイル騎手を起用していく方針を明かしている。

 なお、ゴドルフィンの英国とドバイを担当するマネージャーによると、ドイル騎手に代わる2番手騎手の採用についてはノープランとのこと。