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【世界の馬主紹介 Vol.7】カタールレーシング

2018年10月31日 15:00

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カタールのファハド・ビン・アブドゥラ・アール・サーニ殿下(以下ファハド殿下)がチェアマンとして率いる馬主組織。ヨーロッパを中心にオセアニア、アメリカとあわせて80頭ほどの現役馬を所有している。ファハド殿下の父はカタール元首相のアブドゥラ殿下。現カタール首長のタミム・ビン・ハマド・アール・サーニ殿下と、その弟のジョアン・ビン・ハマド・アール・サーニ殿下(アルシャカブレーシングの代表。代表馬に凱旋門賞連覇のトレヴ)とはいとこ同士という関係になる。

イギリス留学中にサラブレッド競馬への関心を高めたファハド殿下は2010年にパールブラッドストックを組織して競馬業界に参入。するといきなり大成功を収め、2011年9月にライトニングパールでイギリスのG1チェヴァリーパークSを制してG1初制覇を果たすと、同年11月にはドゥーナデンでオーストラリア最高峰のG1メルボルンCにも優勝。ドゥーナデンではその後、G1コーフィールドCとG1香港ヴァーズにも勝った。

ファハド殿下が兄弟のハマド殿下、スハイム殿下とともにカタールレーシングを創設したのは2012年のこと。同組織は、英チャンピオンズシリーズ、愛チャンピオンS、仏ダービーなどのスポンサー、さらには英アスコット競馬場の公式パートナーとして競馬界との関係も深いカタールの投資会社であるQIPCOの傘下にある。ハマド殿下はQIPCOの最高経営責任者、ファハド殿下とスハイム殿下はQIPCOの役員を務めている。

カタールレーシングとしてのG1初制覇はジャストザジャッジで制した2013年5月のG1愛1000ギニー。その後も、チャームスピリットで2014年のG1ムーランドロンシャン賞とG1クイーンエリザベス2世S、シンプルヴァーズで2015年のG1英セントレジャーとG1英チャンピオンズフィリーズ&メアズSなどに優勝。2018年はロアリングライオンでG1エクリプスS、G1英インターナショナルS、G1愛チャンピオンS、ライトニングスピアでG1サセックスSを制すなどその存在感が際立っている。主戦騎手はオイシン・マーフィー

なお、ファハド殿下はいまではカタールレーシングの名義でほとんどの馬を走らせているが、個人名でも日本のセレクトセール出身馬でG3アンタレスSとG3平安Sに勝ったグレイトパールを含む数頭を所有。ちなみにファハド殿下が日本の競馬に関心を持つきっかけとなったのはゴールドシップが勝った2012年のG1有馬記念を生観戦したことだという。競馬への情熱は馬主、生産者、種牡馬事業(前記チャームスピリットやG1ジャンプラ賞の勝ち馬ハヴァナゴールドなどの種牡馬を供用)だけにとどまらず、アマチュア騎手としてチャリティーレースに騎乗しているほどだ。

近年のG1勝ち
2018年:
クイーンエリザベス2世S(イギルス):ロアリングライオン
愛チャンピオンS(アイルランド):ロアリングライオン
英インターナショナルS(イギリス):ロアリングライオン
サセックスS(イギリス):ライトニングスピア
エクリプスS(イギリス):ロアリングライオン

文:秋山 響(TPC)

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