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【世界の調教師紹介 Vol.10】スティーブン・アスムッセン

2018年10月10日 13:00

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スティーブン・アスムッセン調教師は2018年5月5日に史上2人目となる北米通算8000勝をマークした、アメリカを代表する伯楽。現役調教師としてはトップの数字だ。

アスムッセン調教師は米国サウスダコタ州出身で、1965年11月18日生まれ。両親はそれぞれクォーターホース競馬で活躍した元騎手、元調教師で、テキサス州で牧場と調教施設を経営。兄キャッシュはフランスに渡って、5回リーディングに輝いた名騎手で、1991年のG1凱旋門賞をスワーヴダンサーで優勝し、アメリカ時代の1981年にはメアジードーツで第1回ジャパンCも制している。

アスムッセン調教師も兄の背中を追って騎手となったが、やがて体重の問題で断念して調教師の道へ。最初はクォーターホースを扱っていたが、徐々にサラブレッドへとシフトし、サラブレッドでは1986年7月に初勝利を挙げた。

当初は大舞台でその名を聞くことはほとんどなかったが、1996年にヴァリッドエクスペクテーションズでG3ダービートライアルSに勝って重賞初制覇を果たすと、1999年にはドリームズガロアでG1マザグースSを制してG1タイトルを獲得。この辺りから一気に勝ち星が増え、2002年には407勝を挙げて勝ち鞍順の北米リーディングを獲得。2004年には北米史上初めて年間500勝越え(555勝)を果たし、2009年には今もレコードととして残る650勝をマークした。勝ち鞍順の北米リーディングは2002、2004、2005、2007、2008、2009、2010、2011、2013年の計9回。

アスムッセン調教師にとって最初のスーパーホースといえるのはG1プリークネスS、G1BCクラシック、G1ドバイワールドC、G1ジョッキークラブゴールドC(2回)などを制して2007年と2008年の米年度代表馬に選ばれたカーリン。これに続いて2009年にはG1ケンタッキーオークス圧勝後に転厩してきたレイチェルアレクサンドラがG1プリークネスS、G1ウッドワードS、G1ハスケル招待Sなどに勝って2009年の米年度代表馬に選出。3年連続して米年度代表馬を管理するという偉業を成し遂げた。

その後、2014年にはアンタパブルでG1BCディスタフやG1ケンタッキーオークスに優勝し、2016年にはクリエイターでG1ベルモントSを制覇。さらに2017年にはガンランナーでG1BCクラシック、G1ホイットニーS、G1ウッドワードSなどに勝って、自身3頭目となる米年度代表馬へと導いた。また、ガンランナーでは2018年にG1ペガサスワールドCも制している。

北米チャンピオントレーナー(収得賞金順)は2008、2009年の2回。ニューヨーク、シカゴ、ケンタッキー、テキサスなどに拠点を構える。2014年には動物虐待疑惑をかけられたこともあったが、ニューヨーク州とケンタッキー州による調査で疑惑は晴れ、2016年にはアメリカの競馬殿堂入りを果たしている。

近年のG1勝ち
2018年:
メトロポリタンH(アメリカ):ビージャージー
ペガサスワールドC(アメリカ):ガンランナー

2017年:
BCクラシック(アメリカ):ガンランナー
ウッドワードS(アメリカ):ガンランナー
ホイットニーS(アメリカ):ガンランナー
スティーブンフォスターH(アメリカ):ガンランナー

2016年:
クラークH(アメリカ):ガンランナー
ベルモントS(アメリカ):クリエイター
アーカンソーダービー(アメリカ):クリエイター

文:秋山 響(TPC)

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