豪G1メルボルンCのワープスピード、あと一歩で歴史的勝利を逃す

2024年11月06日 13:30

 豪州競馬の祭典、G1メルボルンカップ(3歳以上、芝3200m)がフレミントン競馬場で現地5日に行われ、日本のワープスピードが出走。中団の後ろから進出した直線でしぶとく末脚を伸ばし、自身の後ろから内を捌いた単勝91倍のナイツチョイス(19番人気タイ)に0.1馬身差で惜敗した。

 前走のコーフィールドカップで見せ場を作れないまま13着に大敗したワープスピードは単勝26倍(11番人気タイ)の評価だったが、この日は当時の外枠から一転の2番枠を生かして中団後ろの内ラチ沿いを追走。最終コーナーに向かってラチから離れていき、45頭分外からスパート態勢に入った。

 すると、後方集団にいたナイツチョイスが内を突いて進出。51.5kgの軽ハンデを助けに鋭伸してワープスピードに先んじる。ワープスピードも徐々に加速して差し返しにかかり、一完歩ずつ詰め寄ってゴール前では馬体を並べるも、最後にハナひとつほどの差でデルタブルース(2006年)以来の快挙に及ばなかった。

 さらに0.75馬身差の3着に好位の一角から8番人気のオキタソウシが続き、1番人気のバッカルーは9着、2番人気のワンスムースオペレーターも12着に終わる波乱の決着となった。

 優勝したナイツチョイスはJ.シモンズ&S.ラクソン調教師が管理するデインヒル系エクストリームチョイス産駒の5歳セン馬でG1初制覇。重賞は昨年7月のG3ウィンクスギニー以来となる通算2勝目とした。

 JRA公式サイトではワープスピード陣営のコメントを紹介しており、高木登調教師は「着差が着差だけに悔しいです。今日はパンパンの良馬場になり、道中はずっと手ごたえがありいつでも動かせる状態で、最後の直線に入った時も、「これは行けるかな」という手ごたえだったようですが、惜しかったです。前走、重馬場で苦戦を強いられた後のこのレースは、2着という結果で残念ですが、しっかり力を出し切ってくれたので良かったと思います」と悔しさの中にも納得のコメント。

 菅原明良騎手は「とても悔しいです。前に行くプランと後ろから行くプランのどちらも考えていたので、焦らず騎乗することができました。最後の直線でも上手くさばけて行けたのですが、斤量の差もあるのか、1着馬の方が少し伸びが良かったです。ただ、最後はワープスピードも詰め寄ってくれて、力のあるところを見せてくれました。今回は騎手として海外を転戦し、大変貴重な経験をさせていただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。惜しくも2着で悔しい思いをしたので、日本に戻ってからも一つ一つのレースをしっかりと頑張っていきたいです」と前を向いている。