英G1ロッキンジS、リードアーティストがダンシングジェミナイを差し返す

2025年05月18日 10:25

 英ニューベリー競馬場で現地17日に行われたG1ロッキンジステークス(4歳以上、芝8ハロン)は、好発から3番手に控えたO.マーフィー騎乗の5番人気リードアーティストが一度は1番人気ダンシングジェミナイに先を越されるも、最後の100ヤードから差し返して逆転勝ちした(クビ差)。

 ハナも切れるほどのスタートから3番手に控えたリードアーティストは、逃げるフォールンエンジェル(6番人気)から2馬身圏内で3番手をキープ。残り2ハロンで後ろから並んできたダンシングジェミナイに一度は体半分ほど前に出られるも、最後の100ヤードから巻き返して突き放すようにゴールした。

 さらに2馬身1/4差の3着争いをダンシングジェミナイと道中並走の2番人気ロザリオンが制し、3番人気のノータブルスピーチはロザリオンの背後で最後方追走から短アタマ差及ばず4着に終わった。

 リードアーティストはJ&T.ゴスデン調教師が管理するドバウィ産駒の4歳牡馬で、母オブリゲートには2019年の仏G2サンドリンガム賞勝ちからG1ロートシルト賞3着の実績があるジャドモントの自家生産馬。昨年4月18日にデビューして8月のG3サラブレッドステークスと10月のG3ダーレーステークスで重賞を2勝し、11月のG2バーレーンインターナショナルトロフィー(2着)から復帰した今季初戦の前走はG2ベット365マイルで1着のダンシングジェミナイから約13馬身差の最下位に沈んでいた。

 英競馬メディア『attheraces.com』などによると、大手ブックメーカー『コーラル』はロイヤルアスコット開催のG1クイーンアンステークスにおけるリードアーティストの前売りオッズを5倍の1番人気、ダンシングジェミナイを6倍、ロザリオンを7倍としている。

 J.ゴスデン師は「彼は才能にあふれているし騎乗も良かった」「このレースで彼は大いに成長し、オイシン(マーフィー騎手)に上手く乗ってもらえた」と人馬を称賛。「彼は夏場の速い馬場を好み、それをここで披露した。彼はパワフルでスピードがある」と、この日の馬場状態を勝因の一つに挙げるとともに、クイーンアンSが上位馬たちとの再戦になることを見越して「(雨で)湿ったアスコットにはなってほしくない。もし馬場に問題がなければ我々はクイーンアンへ行く。アスコットの厳しい1マイルは彼にぴったりだろう」と自信をにじませている。

 また、前走までの全8戦で手綱を任されてきたK.シューマーク騎手に代わり初騎乗のマーフィー騎手は、ジャドモントの勝負服を着て初のG1制覇となった。