サトノレーヴはあと少し、英G1クイーンエリザベス2世ジュビリーSでラザットに惜敗
2025年06月22日 10:04
英G1クイーンエリザベス2世ジュビリーステークス(4歳以上、芝6ハロン)が現地21日に日本から遠征のサトノレーヴを含む14頭により争われ、馬場の中央寄りで集団を率いたフランスのラザット(3番人気)が、外ラチ側から追い上げるサトノレーヴを1/2馬身差に退けた。
14頭は外ラチ側に5頭、馬場の中央寄りに9頭と分かれて中間点を通過し、1番人気の支持を集めたサトノレーヴは直前に5番人気のストームボーイを置いて外ラチ側の2列目を追走。残り2ハロン標識から集団を抜け出し、中寄りで先に仕掛けたラザットを目標に追撃態勢に入った。
サトノレーヴのJ.モレイラ騎手は手応えも絶好で、ひと呼吸置くように満を持してのスパート。ラザットとはお互い徐々に馬体を寄せるように接近しながら着実に追い詰めていったが、残り100ヤードで1馬身ほどあった差を最後までひっくり返すことができなかった。
さらに3馬身差の3着には6番人気のフローラオブバミューダが続き、2番人気のイニシェリンは勝ち馬の直後を進むも伸びを欠き7着、日本人の斎藤久明氏が所有するトップギア(4番人気)は最下位の14着に沈んだ。
フランスのJ.レニエ調教師が管理するラザットはテリトリーズ(父インヴィンシブルスピリット)産駒の4歳セン馬。昨年8月にデビュー6連勝でG1モーリスドゲスト賞を制した後は距離延長を図り今季初戦まで3連敗したが、前走でスプリント路線に戻してリステッドを勝っていた。また、前走後にはワスナンレーシングが前オーナーからラザットを購入し、今回は3着のフローラオブバミューダと2頭出しで結果を出している。
ロイヤルアスコット開催での初勝利を手にしたレニエ師は英競馬メディア『attheraces.com』などに対して「(サトノレーヴから)本当にタフな追撃を受けた。彼の全レースをチェックしていたけど、いつも終盤に伸びてくるんだ。でも、ジェームズ(ドイル騎手)には良い感触があったようで、日本馬が迫ってきたとき、彼(ラザット)は耳を伏せてまた頑張った。ジェームズは今日の彼を抜く術はないと言っていたよ」と、着差以上に余裕があったことをうかがわせている。
なお、大手ブックメーカー『パディパワー』はジュライカップにおけるラザットの前売りオッズを9倍から4.5倍の1番人気に引き上げたものの、レニエ師はレース間隔が短いことを理由として出走には消極的。モーリスドゲスト賞の連覇を当面の目標に挙げている。