ドラクロワがエクリプスSで待望のG1初制覇、オンブズマンを鮮やかに差し切り
2025年07月06日 09:40
英G1エクリプスステークス(3歳以上、芝10ハロン)が現地5日にサンダウン競馬場で行われ、最後列に控えた2番人気のドラクロワが前方から先に抜け出した1番人気オンブズマンを大外一気の末脚で鮮やかに差し切った(クビ差)。
レースは逃げる4番人気ソジーの外に6番人気ホタズヘルが並び、その後ろも離れずひと固まりでお互いをけん制するように進む。2列目の内に3番人気ルーリングコート、外にオンブズマンのゴドルフィン勢、3列目の内にドラクロワ、外に5番人気カミーユピサロのクールモア勢で最終コーナーを回った。
直線に入るとオンブズマンがホタズヘルの外側でいつでも抜け出せる体勢を作り、残り2ハロンからソジーともどもかわして先頭へ。オンブズマンの後ろではカミーユピサロと内で仕掛けを待たされたルーリングコートが追撃し、最後の1ハロン付近ではカミーユピサロが捕らえる勢いで接近する。
すると、そこからオンブズマンが再び突き放して勝負あったかと思われたが、直線入口からルーリングコートとカミーユピサロの間で詰まっていたドラクロワが大外に回り込んで急襲。抜け出したオンブズマンを最後の数完歩で鮮やかに差し切った。
A.オブライエン調教師が管理する父ドバウィ、母テピンの超良血馬ドラクロワは待望のG1初制覇。明け3歳の今年は初戦のバリーサックスステークス、2戦目の愛ダービートライアルステークスを連勝して臨んだ前走の英ダービーで1番人気に推されるも、後方で見せ場を作れず9着に惨敗していた。
この勝利でオブライエン師はパディントン(2023年)、シティオブトロイ(2024年)に続き史上初の3連覇(通算9勝目)を達成。R.ムーア騎手の3連覇(通算5勝目)も史上初の快挙となった。
際どく勝利を手にしたムーア騎手は英競馬メディア『racingtv.com』に対して「およそシンプルとは行かなかった。先行したかったけど、包まれてだいぶ後ろになってしまった」「だから待ってから馬群を回り込まなければならなかった。彼は抜群のキレ味を発揮して非常に強い馬を負かしてくれた」とドラクロワの瞬発力を勝因に挙げた。
また、ムーア騎手に道中で4度もプラン変更したことを伝えられたというオブライエン師は「ライアン(ムーア騎手)は、ドラクロワは非常に速い馬だからマイラーだとしても驚かないと言っていたんだ」「どんなレースを勝ってもいつも驚かされるが、私はライアンに任せている。信じられない(くらい凄い)し、とてもうれしいよ」と、ムーア騎手の手腕を称賛している。