米G1サラトガダービーは伏兵ワールドビーターが快勝、コックスプレートに遠征も

2025年08月03日 15:04

 米3歳G1サラトガダービー(芝9.5ハロン)が現地2日にサラトガ競馬場で行われ、中団追走の5番人気ワールドビーターが馬群を捌いて抜け出し、フランスから遠征して逃げ粘る最低9番人気のジュウェラーをゴール前で差し切った(1/2馬身差)。

 レースはジュウェラーが2番手以下を離して逃げる形になり、約6馬身差の3番手を2番人気のテストスコアが追走。大外枠のワールドビーターはその後ろで5番手につけると、第3コーナーから馬群の中を進んでテストスコアの内に開いたスペースから直線に入り、併せ馬に伸び勝つ一方で粘るジュウェラーを差し切った。

 テストスコアはジュウェラーにもアタマ差及ばず3着まで。アイルランドから遠征した1番人気のホタズヘルは後方で包まれるなどスムーズに行かず、ようやく進路を確保した直線半ばから急追するもさらに1馬身差の4着に敗れた。

 ワールドビーターはR.モット調教師が管理するオスカーパフォーマンス産駒の牡馬で重賞初制覇。昨年9月のデビューからダートで大敗が続いたが、今年2月に芝に転じると5月の初勝利からリステッドと連勝し、前走のベルモントダービーではテストスコアの2着に好走していた。

 W.モット調教師を父に持つR.モット師にとって、これが開業3年目での重賞初制覇。ニューヨーク競馬協会(NYRA)の公式サイトは「おめでとう、よくやった」と父に祝福されたというモット師のコメントとともに「私はここで育ったんだ。子どもの頃はサラトガが遊び場だった。父と私は数えきれないほど一緒にウィナーズサークルへ足を運んだから、彼と親戚がここに来てくれたのは本当に特別さ」と喜ぶ声を伝えている。

 なお、この勝利でワールドビーターは豪G1コックスプレートの優先出走権を獲得したが、父のW.モット師のパーチメントパーティーも6月6日のG3ベルモントゴールドカップ勝ちでメルボルンカップの出走権を得ており、R.モット師は「まだ先のことだが、絶対にないとは言わない」と遠征の可能性にも触れている。