アロヒアリイが凱旋門賞へ前進、G2ギヨームドルナノ賞で仏ダービー2着馬らを一蹴

2025年08月17日 09:16

 仏ドーヴィル競馬場で現地16日にG2ギヨームドルナノ賞(3歳、芝2000m)が行われ、日本から遠征中のアロヒアリイが出走。発馬こそもう一つだったものの、素早く位置を取り戻して逃げを打つと、2着のラシャバーに3馬身1/2差をつけて完勝した。

 3番人気のアロヒアリイは伸び上がるようにゲートを出て最後方になるも、C.ルメール騎手が気合いをつけて位置の回復を図り、最内枠のコーナーワークを利してハナに立つ。後続は1馬身から1馬身半の間隔で連なり、仏ダービー2着の1番人気クアリフィカーが3番手、2番人気のラシャバーは4番手から追走した。

 アロヒアリイのルメール騎手は中間点に向かって息を入れさせ、残り800m地点を境に徐々にペースアップ。後続を引きつけながら手応え良く450mの直線に入ると、鞍上の腕が盛んに動く後続を尻目に残り200mから気つけのステッキを一発だけ入れ、最後は流す余裕でゴールを駆け抜けた。ラチ沿いキープのラシャバーが外を回ったクアリフィカーとの2着争いをアタマ差で制した。

 田中博康調教師が管理するドゥラメンテ産駒のアロヒアリイは重賞初制覇を海外で達成。重賞初挑戦の弥生賞、前走の皐月賞は最後方から負担の大きい内容を強いられても大きく崩れず善戦したが、この日は一転の逃げで実力を裏づける格好となった。

 夏場に牡馬が出走可能な中距離のG1がないフランスでは、ギヨームドルナノ賞やウジェーヌアダム賞がダービー組や上がり馬のステップとなっており、ギヨームドルナノ賞は昨年のエコノミクスが次走でアイリッシュチャンピオンステークス、2023年のエースインパクトも凱旋門賞を制すなど大物を続々と輩出。凱旋門賞を目指して渡仏したアロヒアリイにとって価値ある1勝となった。

 英競馬メディア『attheraces.com』などはアロヒアリイの完勝劇を「アロヒアリイがギヨームドルナノ賞で破壊的なパフォーマンスで勝利したことにより、日本は凱旋門賞でのさらなる候補を手に入れたかもしれない」などと表現。大手ブックメーカー『コーラル』が凱旋門賞におけるアロヒアリイの前売りオッズに21倍をつけたと報じている。