「そうしなければ2着も…」「出走馬が増えればペースメーカーは必要ない」ファーブル師の見解
2025年08月22日 13:07
英国のヨーク競馬場で行われたインターナショナルSで3着に逃げ粘ったバーキャッスル(セン5)について、フランスのアンドレ・ファーブル調教師(79)が見解を語った。「アットザレーシズ」電子版が伝えている。
バーキャッスルはファーブル師の管理馬だが、オンブズマンのペースメーカーとして、一時的に英国のジョン・ゴスデン師のもとに預けられた。レースは最低人気ながらハヴリン騎手と大逃げの形になり、オンブズマン、ドラクロワに次ぐ3着でゴールしている。
凱旋門賞を史上最多8勝、フランスではリーディングトレーナーに30回輝いている名伯楽ファーブルは「彼は確かにレースにスパイスを与えてくれました。誰もこんな展開は予想していませんでした」と驚きを語る一方で、「彼は悪い馬ではないのです。昨年は病気の影響もあり、低調なシーズンでしたが、高いレーティングを持っていて、重賞で入着している馬ですから」とその実力から好走も不思議はなかったことを紹介した。
日本とは異なる欧州独特のペースメーカーという存在。レースについては、「20馬身リードしているように見えました。残り2ハロンではまだかなりリードがあったのですが、ロバート・ハヴリン騎手が馬場の中央に持ち出して、他の馬を先に行かせようとしたときに、後続はそこにいませんでした。彼(ハヴリン騎手)がそうしていなければ、2着だったかもしれません。しかし、勝った馬は本当に印象に残りました。素晴らしい馬で、他の馬がスローペースだった展開で、よく加速していました」と分析。「グッドウッド(サセックスS)でペースメーカーが勝ったときとまったく同じでした。レース前に(オンブズマンを管理する)ジョン(ゴスデン師)と話していて、同じ結果になっても構わないと言いましたが、もう少しでそうなるところでしたね」と振り返った。
今回のバーキャッスルの出走はゴドルフィンがオンブズマンのペースメーカーとして高額な追加登録料を払って追加登録を行った。「最終的にはみんなが満足していました。ジョンも私も、そして、ゴドルフィンも。ただ、こんなに大きなレースなのに、もっと多くの出走馬が集まらなかったのは残念です。それ(出走馬が集まらなかったこと)がペースメーカーの台頭につながります。出走馬が増えれば、ペースメーカーは必要なくなります。いいペースメーカーは放っておかれると勝つ実力がある馬です。グッドウッドでそれが起こりましたし、ヨークでももう少しでそうなるところでした」と、今回の英インターナショナルSの結果を語り、課題を指摘している。