ジアヴェロットが英G3セプテンバーSを快勝、敗れたカルパナは凱旋門賞から撤退か

2025年09月07日 10:54

 現地6日、英ケンプトン競馬場で行われたG3セプテンバーステークス(3歳以上、オールウェザー12ハロン)に凱旋門賞の前売り1番人気に推されているカルパナが出走。単勝1.5倍の人気を集めたものの、同3.3倍のジアヴェロットに1馬身1/2差の完敗を喫した。

 カルパナはオーナー陣営が用意したペースメーカーを行かせて2馬身から3馬身後ろの位置をキープ。その間の2番手にジアヴェロットが入って緩みなく流れ、迎えた直線では一騎打ちの形となる。カルパナは残り2ハロン過ぎで鼻面を並べる所まで行ったものの、最後の1ハロンから突き放されて万事休した。

 マスタークラフツマン産駒の6歳牡馬ジアヴェロットは昨年の香港ヴァーズ以来となる白星で5度目の重賞制覇。今年は前走のコロネーションカップ(3着)、前々走のドバイシーマクラシック(5着)とG1で一歩及ばないレースが続いていた。

 英競馬メディア『attheraces.com』などによると、ジアヴェロットのM.ボッティ調教師は「カルパナについていって負かせるか試すプランだった。オイシン(マーフィー騎手)は平均ペースで速すぎない程度と思ったから2番手につけたんだ」「彼はあの牝馬が来るたびに、ギアが一つ上がったと言っていたよ。素晴らしいパフォーマンスだった」と完勝劇を喜んだ。

 なお、大手ブックメーカー『パディパワー』は凱旋門賞におけるジアヴェロットの前売りオッズを66倍台から34倍にカットしたが、ボッティ師は「凱旋門賞に登録はしている。(前売り)1番人気を負かしたのだから試さないかとオーナーたちが言ってくるのは分かっているが、個人的に彼には馬場が柔らかすぎると思う」「香港までの数カ月の間に適したレースがあまりない。柔らかい馬場で無駄に走るのは理想的ではないよ」と、香港ヴァーズの連覇を最優先とする考えに言及している。

 一方で『パディパワー』は敗れたカルパナのオッズを7倍の1番人気から13倍まで下落させた。A.ボールディング調教師は勝者を称えつつ「彼女に2週間ほど楽をさせていたが、その分で良くなってくると思う。調教は十分に積んだつもりだが、現状は芝で追い切るのが難しい。オールウェザーはもっと楽だから、彼女のようなタイプの馬には負荷をかけにくいんだ」と敗因を求めた。

 その上で「今回は前哨戦だった。(凱旋門賞は)常にプランとしてあったが、相手関係がどうなるか見なくては」と、英チャンピオンズフィリーズ&メアズステークスに回る可能性を示唆している。