​【BCターフ】障害戦兼用のエシカルダイアモンドが大金星、レベルスロマンスの3勝目阻む

2025年11月03日 11:05

 現地1日、米デルマー競馬場でG1ブリーダーズカップターフ(芝12ハロン)が行われ、障害レースで走った経験を持つ伏兵エシカルダイアモンドが、通算3度目の勝利を目前にしていたレベルスロマンスを豪快に差し切った。

 大外枠から出たエシカルダイアモンドは、スタート直後からD.マクモナグル騎手が馬場を斜めに走って一気に内ラチ沿いまで寄せる奇策を披露。その代償として最後方からのレースとなったが、道中も後方のままじっくりと勝機を伺う構えに。

 一方、1番人気のミニーホークは中段の外目を走り、2番人気のレベルスロマンスは3番手の好位を追走。レース中盤ではゴリアットが2番手まで積極的にポジションを上げていき、ミニーホークも勝負どころを前に早くも3番手まで浮上する。

 最後の直線に入るとすぐにミニーホークが先頭に立ち、レベルスロマンスも負けじと食い下がるが、そこへ第4コーナーからロングスパートをかけていたエシカルダイアモンドが大外から猛追。先行する有力馬たちを並ぶ間もなくかわし、大金星を手にした。

 1馬身1/4差の2着はレベルスロマンスが確保し、直線でしぶとく伸びてきたエルコルドベスがさらに3/4馬身差の3着。追い比べで屈したミニーホークは6着に終わり、ゴリアットは11着に沈んだ。

 W.マリンズ厩舎のエシカルダイアモンドはオータード産駒の5歳セン馬。2023年4月のデビューから平地と障害の兼用で使われ、今季の平地シーズンは8月に英国伝統レースのイボアハンデキャップを制すなどハンデ戦を2連勝。今回は平地重賞への初挑戦だったにもかかわらず、名だたる強豪たちをなで斬りにしてみせた。

 英国屈指の障害競走トレーナーとして知られるマリンズ調教師も勝利を信じられない様子で、「誰もが3着以内は無理だと思っていたし、6着までなら何とかなるかもという気持ちだった」と英競馬メディア『At The Races』にコメント。本来ならイボアHの勝利で優先出走権を得た豪G1メルボルンカップに出たかったが故障歴などから断念せざるを得ず、BCターフ挑戦は「土壇場で思いついた計画だった」という。

 なお今後について同師は「中東のドバイ、サウジアラビア、バーレーンは間違いなく候補。彼は固い馬場を走れる」と語っていた。