【英インターナショナルS】過去5年の傾向 好走馬の条件は!?

2019年08月19日 15:00

 イギリスのヨーク競馬場で毎年8月に開催される英インターナショナルステークス。欧州中距離G1の最高峰のひとつとして知られており、2005年には日本馬ゼンノロブロイが出走、僅差2着と好走を果たした。今年はシュヴァルグラン(牡7・友道康夫厩舎)が出走を予定している。今回は2014年以降の近5年のデータから英インターナショナルSのレース傾向を探っていきたい。

 まず表1は英インターナショナルS近5年の3着以内馬一覧。人気別では、1番人気馬が16年ポストポンドら2勝をあげており、【2.3.0.0】ですべて連対と信頼度が高い。2番人気馬は昨年のロアリングライオンが勝利し、15年を除いて馬券に絡んでいる。以下、3、5番人気馬が1勝ずつ。3着以内馬は、昨年8番人気で3着に激走したサンダリングブルー以外はすべて上位5番人気以内に支持されていた。

 年齢では好走馬はすべて3~5歳の間におさまっていた。なかでも3歳馬はのべ【3.3.1.10】で昨年のロアリングライオンら3勝をあげ、勝率17.6%、連対率35.3%、複勝率41.2%でいずれも世代別トップだ。

 調教師ではアイルランドのA.オブライエン調教師以外はすべて地元イギリスの調教師が占めている。3着以内数ではオブライエン調教師とM.スタウト調教師が最多の3回で並び、J.ゴスデン調教師とK.ライアン調教師が2回で続いている。

 続いて表2は前走レース別3着以内数。キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス組は一昨年のユリシーズが勝利し、連対数3回で最多だ。昨年も2着ポエッツワードが該当し、近3年続けて連対馬を出している。

 エクリプスステークス組は昨年のロアリングライオンが勝利し、3着以内数では4回でキングジョージ組と並んでいる。他ではコロネーションカップ組、ナッソーステークス組、愛ダービー組が各1勝。2、3着も前走レースは多岐にわたっている。

 なお、近5年の3着以内馬15頭中14頭は前走で4着以内に入っていた。そのうち昨年の1~3着馬を含む8頭は前走で勝利をおさめている。

 表3は前走からの距離増減別成績。今回短縮の馬が一昨年のユリシーズら3勝をあげ、連対率33.3%、複勝率38.9%と優秀だ。15年を除いて、毎年1頭は3着以内に入っている。

 今回延長の馬は昨年のロアリングライオンら2勝も、勝率と連対率で距離短縮の馬に差をつけられている。

 なお、増減なしの馬は昨年3着のサンダリングブルー。同馬は前走で同じヨーク競馬場のG2ヨークステークスで勝利していた。

 最後に表4は2005年に出走したゼンノロブロイと今年出走予定のシュヴァルグランとの比較。ゼンノロブロイは海外遠征が初で、7頭立ての2番人気に支持されてエレクトロキューショニストとクビ差の2着と好走を果たした。

 シュヴァルグランは現在7歳。表1で示した好走馬の年齢ゾーンからは外れているが、今回が海外3戦目。先日、ディアドラが海外6戦目(今年に限れば4戦目)でナッソーステークスを制したように、遠征慣れしてくる部分は大きいだろう。前走のキングジョージ6着も道悪で参考外といえるし、この馬の実力を発揮できれば、上位への食い込みは十分にありそうだ。