【世界の騎手紹介 Vol.42】ジェームズ・マクドナルド
2020年07月08日 15:00
オーストラリアで活躍中のジェームズ・マクドナルド騎手は1992年1月6日、ニュージーランド生まれ。父の厩舎で見習い騎手となり、2007年8月に母国で初勝利。翌年4月にはスペシャルミッションでG1ニュージーランドブラッドストックブリーダーズSを制して、デビューシーズンにG1初制覇を果たした。
2シーズン目となった2008/09年には、G1ニュージーランドオークス(優勝馬はジャングルポケット産駒のジャングルロケット)を含む125勝を挙げて、17歳の若さでニュージーランドのチャンピオンジョッキーに君臨。2010/11年にはリサ・クロップ騎手が保持していたニュージーランドのシーズン最多勝記録を10勝も更新する207勝をマークして、2度目のタイトルを手にした。
その後はオーストラリアに主戦場を移し、2013年4月にはイッツアダンディールでG1オーストラリアンダービーに優勝。続く2013/14年シーズンには、イッツアダンディールでG1クイーンエリザベスS、モスファンでG1ゴールデンスリッパー、ライジングロマンスでG1オーストラリアンオークスを制すなど大活躍を見せ、ニューサウスウェールズ州のメトロポリタン(主要競馬場)におけるリーディングタイトルを奪取した。
このような華々しい活躍が認められて2015年3月にモハメド殿下が率いるゴドルフィンのオーストラリアにおける主戦騎手に抜擢。ゴドルフィンのハートネルでG1ザBMW、コントリビューターでG1ランヴェットSを制したほか、日本のリアルインパクトでG1ジョージライダーSに優勝し、2015/16年には再びリーディングの座に就くなど超一流騎手への階段を上っていったのだが、競馬賭事に関与したこと(自らの騎乗馬に賭けた)が明らかとなり、2016年11月15日から18カ月間の資格停止処分を受けた。
その後、2018年5月16日にカムバックして、復帰戦でいきなり優勝(クリス・ウォーラー厩舎のコーマック)。以降はウォーラー厩舎との繋がりが色濃くなっており、復帰後初のG1制覇となった2018年10月のG1コーフィールドギニーもウォーラー厩舎のジオータムサンで挙げたものだった。
2018/19年シーズンは完全復活のシーズンとなり、2位に27勝もの大差をつけて、3シーズンぶりにリーディングタイトルを獲得。以降、2020/21年シーズンまで3シーズン続けてタイトルを守っており(計5回)、直近の2020/21年シーズンは、ネイチャーストリップで制したTJスミスS、ベリーエレガントで勝ったランヴェットSなどニューサウスウェールズ州でのG1勝ちは6を数えた。
近年のG1勝ち
2021年
クイーンズランドダービー(オーストラリア):クケラーチャ
ドゥームベンC(オーストラリア):ザーキ
シャンペンS(オーストラリア):キャプティヴァン
TJスミスS(オーストラリア):ネイチャーストリップ
イングリスサイアーズ(オーストラリア):アナモー
ランヴェットS(オーストラリア):ベリーエレガント
チッピングノートンS(オーストラリア):ベリーエレガント
2020年
ウィンクス(オーストラリア):ベリーエレガント
TJスミスS(オーストラリア):ネイチャーストリップ
タンクレッドS(オーストラリア):ベリーエレガント
2019年
スプリントクラシック(オーストラリア):ネイチャーストリップ
フライトS(オーストラリア):ファンスター
モイアS(オーストラリア):ネイチャーストリップ
オーストラリアンオークス(オーストラリア):ベリーエレガント
タンクレッドS(オーストラリア):アヴィリオス
ヴァイナリースタッドS(オーストラリア):ベリーエレガント
ザギャラクシー(オーストラリア):ネイチャーストリップ
2018年
エンパイアローズS(オーストラリア):シレーリー
コーフィールドギニー(オーストラリア):ジオータムサン
2017年
なし
2016年
ターンブルS(オーストラリア):ハートネル
エプソムH(オーストラリア):ハウラキ
ゴールデンローズS(オーストラリア):アスターン
カンタベリーS(オーストラリア):ホラー
文:秋山響(TPC)