【香港ヴァーズ】勝つのは香港馬か日本馬か、欧州勢か? 香港ヴァーズ近5年のレース傾向

2021年12月09日 16:55

 2016年サトノクラウン、一昨年のグローリーヴェイズと近5年で日本馬が2勝をあげている香港ヴァーズ。欧州勢の活躍も目立ち、地元香港馬との覇権争いにも注目が集まる。それでは2016年以降近5年のデータを中心に、レース傾向を探っていく。

 表1は香港ヴァーズ近5年の3着以内馬一覧。先に述べたように日本馬が2勝、欧州勢ではアイルランド調教馬が昨年のモーグルら2勝をあげている。17年ハイランドリール、昨年のモーグルの優勝馬2頭はともにA.オブライエン厩舎の所属馬だった。

 香港勢は18年エグザルタントの1勝のみ。同馬は一昨年3着、昨年は2着と3年連続で好走している。その他の香港馬は昨年3着のコロンバスカウンティのみと今回の4レースの中では一番手薄な印象を受ける。

 年齢では好走馬は3歳から6歳におさまっており、なかでも4歳馬が9頭と過半数を占めている

 人気では1番人気馬は17年ハイランドリールの1勝のみだが、のべ【1.2.1.1】で複勝率80%。3番人気馬も【1.1.2.1】と複勝率80%で並んでいる。18年のみ3連単で20万円を超える波乱となったが、その他の年は上位4番人気以内で決まっている。

 ゲート番では内外の差はあまり見られないが、1番は2着2回、3着1回と好相性。逆に2番、3番、6番に入った馬からは3着以内馬が出ていない。

 表2は3着以内馬の前走レース成績。欧州勢はブリーダーズCからの転戦馬が多く、ブリーダーズCターフ組が2勝、2着2回。他ではブリーダーズCフィリー&メアターフ組、コンセイユドゥパリ賞組から3着1回ずつとなっている。

 日本馬は京都大賞典組、エリザベス女王杯組、天皇賞(秋)組と3つのレースから好走馬が出ている。

 地元の香港勢はすべてジョッキークラブカップ組で、いずれも前走で3着以内に入っていた。

 表3は過去10年で3着以内に好走した日本馬と今年の出走予定馬2頭。好走した6頭はいずれも前走で2000m~2400mのG2、G1を使われていた。

 グローリーヴェイズは一昨年の香港ヴァーズで、2着ラッキーライラックに3馬身半差をつける完勝。今春のクイーンエリザベス2世Cでもラヴズオンリーユーと僅差の2着と好走している。シャティン競馬場との相性は抜群で、実力さえ出せれば勝ち負けになる可能性が高い。

 ステイフーリッシュは2001年の優勝馬ステイゴールドの産駒。6歳にして初の海外遠征で正直荷が重いが、マイペースで先行できれば残り目があるかもしれない。

 今回JRAで発売される4競走の中で最初に発走となる香港ヴァーズ。後に続く日本馬に勢いをつけてほしいところだ。