現地13日、リングフィールド競馬場でリステッドの英ダービートライアルステークス（3歳牡・セン馬、オールウェザー12ハロン）が行われ、圧倒的人気のミリタリーオーダーが中団の4、5番手キープから決め脚鋭く抜け出して快勝した。

　両脇から囲まれるように道中を運んだミリタリーオーダーは、第3コーナーで逃げ馬がラチから離れた一瞬を突いて内からスパート。2番手追走から食い下がる4番人気のワイピーロを直線半ばで突き放し、1馬身1/4差をつけた。チャールズ3世所有の2番人気サークルオブファイアは、最後方からさらに4馬身1/4差をつけられての3着に終わった。

　ミリタリーオーダーは2年前に英ダービーを制したアダイヤーの全弟で、兄と同様にゴドルフィン所有でC.アップルビー調教師が管理。昨年10月にデビュー2戦目で勝ち上がり、半年ぶりの前走を挟んで3連勝とした。

　今年のダービートライアルSは芝コースのコンディション不良によりAWコースで開催されたが、これ以前にAWコースで行われた2012年（当時はG3）の勝ち馬メインシークエンスは次戦のダービーでキャメロットの2着になっている。また、ミリタリーオーダーの兄アダイヤーは、このレースで2着から次戦のダービーを制した。

　英競馬メディア『attheraces.com』によると、大手ブックメーカーの『ベットフェア』は英ダービーにおけるミリタリーオーダーの前売りオッズを、ディープインパクト産駒のオーギュストロダンと並ぶ5倍の1番人気にカット。同じく『コーラル』は4.5倍で単独1番人気に設定した。

　ミリタリーオーダーを勝利に導いたW.ビュイック騎手は「（第3コーナーの）坂の下りで隙間へ促した時に彼はためらわなかった。終始リラックスしていたし、バランスも抜群だった」と、乗り役として試したいことを完ぺきにこなしたと絶賛。アップルビー師の助手は「ミリタリーオーダーはアダイヤーと同じようなサイズだが、よりシャープなモデルだ」と機動力をアピールしている。