＜BCフィリー＆メアターフ＞◇4日（日本時間5日朝）＝米サンタアニタパーク競馬場◇G1◇芝2000メートル◇3歳上牝◇出走12頭◇1着賞金104万ドル（約1億5600万円）

　日本競馬界の“ヒロイン”が米国の地で躍動した。ウインマリリン（牝6、手塚）が世界の強豪たちの間を縫って、力を見せた。後方3番手追走から直線は馬群の中へ。C・デムーロ騎手がたくみにエスコートして、見せ場をつくったが、ゴールは4番目だった。

　世界屈指の牝馬たちを相手に、堂々とした走りだった。戦前に手塚師が「馬の状態はいいけど、相手はかなり強いよね」と苦笑いを見せたほどの好メンバー。しかし、そんな心配をよそにマリリンは米国の地を力強く駆け抜けた。昨年の香港ヴァーズに続く海外G1・2勝目こそならなかったが、世界の舞台でしっかりと存在感を示した。

　C・デムーロ騎手は「周りのスタートが速く、寄られる形になり、ポジションが後ろになった。ライアンの馬（ウォームハート＝2着）をマークしながら運べて、直線の内からいい脚を使ってくれたけど、最後は同じ脚になってしまった」と振り返った。

　手塚師は「すごくいい競馬だったと思う。作戦としてはもう少し前と思っていたけど、挟まれるような形で位置取りが下がった。その後はリズム良く運べて、3、4コーナーもタイトに進められた。直線も気持ちを高ぶらせるように乗ってくれて好騎乗だったと思う。もうちょっとだったけど、最後は脚色が同じになってしまった。勝った馬が強かった。調教師になる前から、いつか米国競馬に参戦したいと思っていた。好レースができて自分の財産になり、厩舎力もアップすると思う」とBC初挑戦に手応えを得ていた。

　勝ったのは、デットーリ騎手のインスパイラル（牝4、J・ゴスデン）。後方追走から馬群の外を回って差し切った。来年の現役続行を発表した鞍上が、さすがの手綱を見せた。

出典：日刊スポーツ