英ダービーはゴール前で大激戦、アンソニーヴァンダイクが半馬身差で戴冠

2019年06月02日 12:45

 今年で240回目を迎えたG1英ダービー(3歳牡・牝、芝2410m)が現地1日にエプソム競馬場で行われ、中団後ろ寄りの位置を追走した4番人気のアンソニーヴァンダイクが、直線半ばを過ぎて馬群の背後から内へ切り込んで抜け出し、1/2馬身差で栄冠を手にした。

 4頭一線の激戦となった2着争いは、マッドムーン(6番人気タイ)が大外から追い込んだ8番人気のジャパンをハナ差抑え、4着ブルーム(2番人気=短アタマ差)、5着サードラゴネット(1番人気=短アタマ差)の順に決着。約1200万円の追加登録料を払って挑んだテレキャスター(3番人気)は、4番手でレースを進めるも直線半ばを前に失速し、勝ち馬から18馬身余りの最下位13着に大敗した。

 ガリレオ産駒のアンソニーヴァンダイクは、昨年7月にデビュー3戦目の愛G3タイロスステークスで重賞初制覇を飾り、1か月後に愛G2フューチュリティーステークスも連勝。その後はG1に挑むも3連敗を喫し、半年の休養を経た前走の準重賞英ダービートライアルステークスを快勝して本番に駒を進めていた。

 同馬をはじめ7頭出しで臨んだA.オブライエン調教師は英ダービー史上最多タイの7勝目。2着こそ86歳のK.プレンダガスト調教師に譲ったが、3着から6着までを占拠して面目躍如の結果だった。

 オブライエン師はクールモアグループの関係者や厩舎スタッフたちに謝辞を表すとともに「シーマス(ヘファナン騎手)は長らく我々と仕事をともにしてきたし、上位争いを何回も重ねてきた特別な仲間なんだ。彼はいつだってワールドクラスの乗り役だし、本当にうれしいよ」と殊勲のベテラン騎手を祝福した。

 また、ヘファナン騎手は「エイダン(オブライエン師)の馬に乗る時はいつだって自信があるよ。どんなことでも起こり得るし、人気だろうが大穴だろうが関係ない。彼は来るべき日に向けて馬たちを鍛えているのだから」と感謝の言葉に厚い信頼を込めていた。

 なお、アンソニーヴァンダイクの今後について、オブライエン師はオーナーたちが決めることと断りを入れつつ、個人的な考えとして愛ダービーを挙げている。