バターシュの引退が決定、今後はシャドウェルスタッドで隠居生活

2021年08月01日 06:11

 英国を中心に欧州のスプリント戦線を長らくけん引してきたバターシュの引退が決定し、同馬を所有するシャドウェルにより発表された。

 バターシュは5連覇を狙った7月30日のG2キングジョージステークスで、中盤まで好位を手応え良く追走するも終盤に伸び切れず7着に完敗。レース後にはシャドウェルのレーシングマネージャー、A.ゴールド氏が関係者と進退を協議する旨の発言をしていた。

 ゴールド氏は現地31日、シャドウェルを代表して『PA News Agency』宛てに声明文を寄せ、その中に「昨夜に行ったヒッサ王女との電話会談を受け、今朝になってバターシュの即時引退が確認された」「王女はバターシュが(前オーナーの亡き)ハムダン殿下にとって如何に大きな存在であったかを解っており、彼女や一族もこれ以上、彼を酷使しすることを望んではいない。昨日の敗戦は馬場状態に要因を求めているものの、往時の活力が失われてきているのも見てとれた。そのため、引退の決定は容易だった」と記している。

 また、ゴールド氏は「バターシュは6年間にわたりシャドウェルの旗手であり続け、重賞を19連戦してG1レース4勝を含む11勝した。6歳でなお3戦全勝の昨年が全盛期だった」「3歳時からヒザの状態が思わしくなく、昨年12月には右前肢の球節に負った軽度の骨折を治療したほか、呼吸障害の手術も2回しており、健康問題を抱えながらの競走生活だったにもかかわらず、この5シーズンにわたりトップレベルであり続けた」とバターシュに労いの言葉を続けている。

 なお、セン馬のバターシュはシャドウェルスタッドで余生を送るとのこと。