【こんな人】重賞初制覇の清水裕夫師はフランス版「開成調教師」

2021年09月03日 17:48

<リュテス賞>◇2日=パリロンシャン(フランス)◇G3◇芝3000メートル◇3歳◇出走5頭

 エゾップ(牡3、父ガリウェイ)で重賞初制覇を果たした清水裕夫調教師(39)は千葉県柏市の出身。進学校の開成高校から日本獣医生命科学大へ進学し、卒業後は各国で競馬を学んだ。17年にフランスギャロの調教師試験に合格し、18年にフランス競馬の中心地であるシャンティイ地区で開業したフランス版「開成調教師」だ(日本人では小林智師に次ぐ2人目)。

 19年暮れに勇退したジョン・ハモンド調教師(※凱旋門賞馬モンジューなどを管理)から後継指名されて厩舎を引き継ぎ、20年春のドバイ開催ではニスリーンがG2で2戦連続2着に入る活躍をしていた。昨年は夏のドーヴィルでデビュー戦を圧勝したミッドライフクライシス(牡3、父ウートンバセット)がフランスだけでなく、英愛の競馬関係者からも注目された。

 現在は、今秋の凱旋門賞に挑戦するディープボンド(牡4、大久保、来週に前哨戦のフォワ賞へ出走予定)、エントシャイデン(牡6、矢作)の日本馬2頭を厩舎で受け入れており、1日には管理馬フォールインラブの鞍上に坂井瑠星騎手を起用。同騎手がフランス初騎乗初勝利を見事に果たした。エゾップの勝利は清水裕夫厩舎にとって、2日連続の勝利となった。

 開業時から「日本人調教師初の凱旋門賞制覇」を目指している清水裕夫調教師。エゾップの半姉アンドルフィン(引退)は昨年の天皇賞・春に予備登録をしており、「いつかは日本にも管理馬で遠征してみたい」と語っている。「どこの世界でもブレない人間が最後は勝つと思っていますので、自分を信じてまい進あるのみだと思っています」。開業4年目、大きな夢に向かって突き進んでいる。

◆清水裕夫(しみず・ひろお)1981年(昭55)10月31日、千葉県柏市生まれ。目標は日本人調教師初の凱旋門賞制覇。好きなサッカーチームは柏レイソル。趣味は料理。角居勝彦元調教師や現役のJRA調教師、厩舎関係者ともつながりがある。

出典:日刊スポーツ