アケースオブユーは香港遠征を取り止め、2022年の飛躍へ休養入り

2021年11月17日 12:35

 今年後半の欧州スプリント戦線で台頭した3歳馬アケースオブユーが、予定に入れていた香港遠征を取り止めて休養入りすることになった。陣営は来年の飛躍を大いに期待している。

 A.マクギネス厩舎のアケースオブユーは、9月に地元の愛G1フライングファイブステークスで単勝34倍を覆し2着に好走すると、続く仏G1アベイドロンシャン賞を制して実力を証明。一方、アメリカ遠征でのブリーダーズカップターフスプリントはゴールデンパルの5着に完敗した。

 マクギネス師は「彼は問題ないよ。BCもよくやった。ゴールまで頑張ったし、彼は(BC開催場の)デルマーで多くを学んでくれたのではないかな」とBCの敗戦も評価。「香港へ行くつもりだったけど、3か月で海外3走目になるし、移動やら何やらあるから彼を厩舎に入れてケアすることにした」「来年も彼が必要だし本当に楽しみにしているからね」と無理はさせない方針を示した。

 そして、来年は「ロイヤルアスコットのキングズスタンド(ステークス)で復帰する前にドバイということもある」「もちろん、(シーズン)終盤のフライングファイブを見据えているし、できればアベイドロンシャン賞をまた勝ちたい。その後に彼が無事で健康ならキーンランドのBCもね。我々は彼をまた連れていくこともいとわないよ」と積極的な遠征プランに言及。

 その背景として「アイルランドにはスプリンターのための十分なプログラムがない。フライングファイブが唯一のG1で、他のレースでは斤量を背負わされることになる」「そうした斤量を背に彼が勝てるとも言い切れないから、G1を追い求めるのさ」と、実績馬ゆえの悩みがあることも打ち明けている。