【香港国際競走】福永祐一、勝手知ったる香港で充実の1年を締めくくる

2021年12月08日 11:54

<香港eye2021>

 今年のダービーをシャフリヤールで制し、11月のジャパンCではラストランのコントレイルを感動の勝利に導いた福永騎手が、充実の21年を香港Vで締めくくる。14年フィエロで挑んだ香港マイル(6着)以来、7年ぶりの香港国際競走参戦。ともに香港でG1を3勝したエイシンプレストンでの03年クイーンエリザベス2世C以来、18年ぶりの勝利を目指す。

 福永騎手と香港の関係はデビュー1年目の96年までさかのぼる。まだG1になる前の香港カップでシーズグレイスに騎乗。結果は9着だったが、新人・福永祐一には有意義なレースだった。「馬場の感じとかがわかったし、あの経験があったから(エイシン)プレストンを連れて行ってくれ、と進言できた」。若い時から海外に参戦して多くを吸収し、のちのG1・3勝につなげた。

 そんな香港を熟知する同騎手が「馬場は(日本と)大差ない」と話す。海外とはいえ、日本馬が十分に勝負できる舞台だ。

 香港スプリントでコンビを組むピクシーナイトは3歳でスプリンターズSを快勝した。デビューからずっと手綱を取り、信頼を深めてきた。初めてコンタクトを取った時から「この馬は走る。スプリント戦線でG1を取るよ」と非凡な才能を感じていた1頭。初の海外遠征となるが「今後、海外のレースを視野に入れていく馬だし、経験を積む意味でもいいチャレンジだと思う」と楽しみにする。

 香港マイルのインディチャンプは今回がラストラン。「崩れなく走っているし、よく頑張っている。2年前(19年香港マイル7着)はゲートに不安があったんだけど、今はないから」と雪辱Vを狙う。これから日本競馬界を引っ張っていくピクシーと、これまで引っ張ってきたインディ。思い入れのある2頭の名を世界の競馬史に刻み込む。

▼マイル展望 15連勝中の絶対王者ゴールデンシックスティ(せん6、K・ルイ)が日本馬4頭を迎え撃つ。昨年の香港マイルは前年覇者アドマイヤマーズを破り、G1初制覇。前哨戦ジョッキークラブマイルも最後方からの差し切りで楽勝し、地元では敵なしの存在だ。連勝ストップを狙う日本馬カルテットも強力。安田記念覇者ダノンキングリー、一昨年のマイル王インディチャンプは秋初戦をたたいて、万全の態勢で挑む。米国から転戦のドバイターフ2着ヴァンドギャルド、一昨年の朝日杯FS覇者サリオスの食い込みも期待したい。

出典:日刊スポーツ