不本意な内容に終始した2年前の雪辱へ。そして、しばらく味わっていない勝利の美酒を口にするため、インディチャンプが再び香港マイルに挑む。安田記念とマイルCSの春秋マイルG1制覇を果たし、現役最強マイラーとして遠征した2年前の香港マイルは、ゲートで後手に回ると直線も前が壁になり、残り200mまで何もできないまま10頭立ての7着。先頭で颯爽とゴールを駆け抜けたアドマイヤマーズをはじめ、4頭が遠征した日本調教馬の中で最下位という屈辱を味わった。

帰国して5歳となったインディチャンプは、叩き2戦目のマイラーズCを完勝してマイル王の実力を誇示したが、その後は連覇を狙った安田記念とマイルCSでグランアレグリアの後塵を拝し、6歳を迎えた今年は高松宮記念で新境地開拓に挑むも一歩及ばず。安田記念と前走のマイルCSは春秋制覇の2019年から着順を落とし続け、気がつけば1年半以上も勝利から遠ざかっていた。

しかし、この香港マイルに向けて変わり身の余地はある。音無秀孝調教師が認めているように、インディチャンプは叩き良化型のタイプ。最後に勝利を挙げたマイラーズCは前走から2か月以内の間隔だったが、その後の7戦中4戦は2か月以上の間隔でレースをしていた。全て4着以内にまとめてきたのは底力の証明であり、中2週、ラストランとして迎える今回は渾身の走りを見せてくれることだろう。