香港マイル

2021/12/12(日) 16:55発走 シャティン競馬場

見どころPREVIEW

国内にもはや敵なしのゴールデンシックスティ。(Photo by The Hong Kong Jockey Club)

包囲網を敷く日本勢、ゴールデンシックスティの連覇阻止へ

香港マイルはスーパースター・ゴールデンシックスティが地元で新記録の通算19勝目なるかが注目を集めている。ここまで見せてきた圧倒的な走りからも可能性は十分だろう。しかし、昨年はアドマイヤマーズの単騎参戦(3着)だった日本調教馬は、安田記念の覇者ダノンキングリー、2019年にマイルG1春秋制覇のインディチャンプ、同じく2019年の2歳王者サリオス、そして海外G1実績のあるヴァンドギャルドが包囲網を敷き、かつてないほどハードルは上がっている。

ゴールデンシックスティは国内にもはや敵なし。同じ相手に繰り返し圧勝し、勝負づけを完全に済ませている。今回は日本調教馬ら外国勢との対決の図式と見て間違いない。日の出の勢いで迎えた昨年も似たような構図だったが、当時は前年の覇者アドマイヤマーズと引退戦で衰えを隠せなくなっていたビューティージェネレーションを後ろからマークしておけば良かった。しかし、今年は外国勢にアイルランドのマザーアースも加わり、マークを絞るのは難しい。ゴールデンシックスティとしても今まで通りと行くか。

日本勢は先行もできるサリオスをはじめ4頭が前後に満遍なく散る布陣。マザーアースは直近2戦で後方に控えているが、ゴールデンシックスティとの追いくらべは分が悪いとR.ムーア騎手が判断すれば、ある程度の位置を取りにくる可能性も考えられる。

安田記念の覇者ダノンキングリー。(Photo by Kazuhiro Kuramoto)

後方からの大外一気を型とするゴールデンシックスティは、これらとの距離を測りながら仕掛けのタイミングを待つ格好になると思われる。抜け出すと気を抜く癖があり、大きく差をつけて勝つタイプではないが、馬体が並ぶところまで行けば勝負根性は抜群。日本勢はそうなる前に決着をつけられるかが焦点になるが、そのチャンスは多少なりともある。

前述の通り、ゴールデンシックスティは気を抜く癖がある。これまでは力関係の解っている相手でC.ホー騎手も仕掛け所に苦労しなかったが、今回の外国勢は初対戦の馬ばかり。想定外に止まらなければ捕らえ切れず、あるいは意識しすぎて早仕掛けになり、抜け出してしまうと隙が生じることになりかねない。いずれにせよ、際どくスリリングなゴール前になるのではないか。

(渡部浩明)