無敗のジ・エベレスト覇者を輩出したシザーキック、現在はチュニジアで種牡馬生活

2022年10月19日 12:12

 芝レースとして世界最高賞金のジ・エベレストをデビューから無傷の5連勝で制した3歳馬のギガキック。現役最強スプリンターのネイチャーストリップらを破った新星はにわかに注目を集める存在となったが、同時に同馬を輩出したシザーキックも脚光を浴びている。

 シザーキックについては複数の現地競馬メディアが報じており、それらによるとすでに豪州から流出。北アフリカのチュニジアに輸出されて種牡馬生活を続けているという。

 リダウツチョイス産駒のシザーキックは現役時代に13戦4勝(2着2回)。3歳時にG3を2勝、G1ゴールデンローズで2着というのが主な戦績で、2016年からアローフィールドスタッドで種牡馬入りすると、2017年にはフランスへシャトル供用もされた。

 種牡馬としてのシザーキックは初年度の2016年に種付け料1万6500豪ドルで107頭の繁殖牝馬を集めたが、2017年には87頭、そして2018年には42頭まで減少。その42頭の中にギガキックの母もいた。しかし、2019年には1万1000豪ドルで29頭の申し込みしかなく、フランスへ送られて豪州に帰ることはなかった。

「彼をフランスにシャトル供用したが大失敗で、こちらでも惨たんたるものだった」と振り返るのはアローフィールドスタッドを所有するJ.メッサーラ氏。現地での繋養をあきらめる一方でフランスの関係者にも受け入れを断られたという。

 しかし、その後に連絡を受けてチュニジアのアマチュアスポーツ牧場を紹介され、現在は彼の地で種牡馬生活に加えてイベント出演などもしているとのこと。