ワールドベストレースホースランキング首位の現役最強馬フライトラインが現地5日に米キーンランド競馬場で行われたブリーダーズカップクラシック（3歳以上、ダート10ハロン）に単勝1.44倍の圧倒的人気を集めて出走。2番手追走からの独走劇で8馬身1/4差の圧勝を飾り、デビューから無傷の6連勝とした。

　ゲートを埋めた全8頭がG1ホースという豪華な顔ぶれがそろう中で決戦の火ぶたが切って落とされると、ハナを切ったのは4番人気のライフイズグッド。これにフライトラインも離れず続き、レースは序盤から快速2頭による一騎打ちの様相を呈す。

　先頭のライフイズグッドは軽快に飛ばし、向正面で3番手以下は10馬身前後も離れる展開となったが、フライトラインのF.プラ騎手は早くも後ろを振り返って差を確認する余裕。最終コーナーを前にもう一度振り返って追撃態勢に入り、ライフイズグッドを並ぶ間もなくかわすと直線半ばで一発だけ左ムチが飛び、あとは流して悠然とゴールを駆け抜けた。

　2着に5番手追走の7番人気オリンピアード、さらに1/2馬身差の3着には3番人気のテイバが続き、果敢な逃げでレースを盛り上げたライフイズグッドは5着。2番人気のエピセンターはレース中盤で競走を中止し、その後の検査で右前肢の骨折が見つかったとのこと。

　フライトラインはデビューから無傷の6連勝とすると同時に、昨年12月のマリブステークスからG1レース4連勝（重賞も4勝目）。J.サドラー調教師は2018年（アクセラレイト）に続くBCクラシック2勝目、初制覇のプラ騎手はBC開催で通算4勝目とした。

　サドラー師は「ここ2週間は眠れなかったよ。これは人生を懸けてやってきた仕事の集大成さ。この凄さを如何に捉えるべきだと思う？　セクレタリアトやシアトルスルーを回顧しなければならないが、この馬は我々が長らく見てきた中でも間違いなくベストの1頭だ」とフライトラインを史上最強クラスと評価。今後については関係者と話し合ってからと述べるに留めている。