ステファノス産駒のピニャン、NZの2歳G1マナワツSPSで父子とも重賞初制覇

2023年04月02日 10:25

 ニュージーランドのアワプニ競馬場で現地1日に行われた2歳G1マナワツサイアーズプロデュースステークス(芝1400m)を、現役時代に日本で活躍したステファノス産駒のピニャンが快勝して波乱を呼んだ。

 ピニャンは単勝23.50倍で12頭立ての8番人気という低評価だったが、単勝1.70倍の1番人気トロブリアンドが逃げると最内枠を利して背後の3、4番手をキープ。直線に向かって馬場の中央へ持ち出された1番人気馬の内をすくって抜け出し、2番手追走から外を回って猛追する10番人気アプリリアを0.8馬身振り切った。トロブリアンドは先頭から2.4馬身差の4着に敗れている。

 ピニャンはL.ラッタ調教師が管理する牝馬で今回が重賞初制覇。昨年9月3日にデビューして3戦目の12月17日に勝ち上がり、その後は年明けのリステッド、前走のG2マタマタブリーダーズステークスと3着を続けていた。同馬はラグビーNZ代表(オールブラックス)のレジェンドプレーヤー、C.カレン氏や同サッカー代表だったA.レニー氏らが共同所有している。

 現役時代の父ステファノスは重賞でG3富士ステークスの1勝のみも、天皇賞(秋)や香港のクイーンエリザベス2世カップ、大阪杯での2着などG1レースで入着5回と息長く活躍。引退後の2019年にニュージーランドのノヴァラパークスタッドが購入し、現地で種牡馬入りした。なお、今回は種牡馬ステファノスにとって重賞だけでなくステークスレベルでも初勝利となった。

 なお、ニュージーランドの2歳G1はサトノアラジン産駒のトウキョウタイクーンが3月11日にシステマステークスを制したが、レース後の検査で禁止薬物の抗炎症剤が検出。同馬を所有するテアカウレーシングは故意ではなく人為的ミスによるものであることを申し立てた。現在は競馬公正委員会の査問対象となっており、その結果次第で失格となる可能性が浮上している。