米G1プリークネスSはナショナルトレジャーが逃げ切り、メイジは完敗で二冠ならず

2023年05月21日 12:50

 米三冠シリーズ第2戦のG1プリークネスステークス(3歳、ダート9.5ハロン)が現地20日にピムリコ競馬場で行われ、ケンタッキーダービーを制したメイジが単勝2.4倍の1番人気で出走。道中3、4番手から運んだものの、2番人気のナショナルトレジャーに逃げ切りを許すなど3着に完敗した。

 全7頭がそろったスタートを見せ、最内枠のナショナルトレジャーがハナへ。メイジは3馬身ほど後ろで向正面に入り、射程圏に入れたまま手応え良く追走する。その外にいた3番人気ブレイジングセブンズが第3コーナーから先頭を捕らえにかかるとメイジも続き、直線は先行する2頭をメイジが追いかける形となった。

 しかし、ナショナルトレジャーとブレイジングセブンズが叩き合いながらメイジを寄せつけず、ナショナルトレジャーがブレイジングセブンズをアタマ差抑え込んで1着。メイジは直線入口からの差をほとんど詰められず、さらに2馬身1/4差の3着に終わった。

 ナショナルトレジャーはクオリティロード産駒の牡馬で昨年9月にデビュー勝ち。しかし、2戦目のG1アメリカンファラオステークスで2着、3戦目のブリーダーズカップジュベナイルで3着と勝ちあぐね、前走のG1サンタアニタダービーでは日本から参戦したマンダリンヒーロー(2着)に3馬身近く離されての4着に敗れていた。今回はデビュー戦以来の白星で通算6戦2勝としている。

 同馬を管理するB.バファート調教師は、薬物規定違反による出走停止処分から2年ぶりに三冠戦復帰を果たした初戦でいきなりの勝利。プリークネスSは史上最多の8勝目、三冠戦では通算17勝目とし、J.ヴェラスケス騎手のプリークネスS制覇は51歳にして初めてとなった。

 米競馬メディア『bloodhorse.com』によると、バファート師は声を上ずらせながら家族や友人たちのサポートに感謝を述べるとともに「続けることはタフだったが、こうしてやり遂げられることは分かっていたし、集中するだけさ。かつて私が言ったように、馬への愛が私を集中、前進させ、雑音を排除してくれるんだ」と、ここまでの道のりを振り返っている。

 なお、ナショナルトレジャーのベルモントステークス参戦については数日様子を見てから決めるとのこと。