3歳馬ブラッドセルが古馬を破り英G1キングズスタンドS制覇、ドイル騎手も女性初の快挙

2023年06月21日 12:50

 英ロイヤルアスコット開催のG1キングズスタンドステークス(3歳以上、芝5ハロン)が現地20日にアスコット競馬場で行われ、H.ドイル騎乗のブラッドセル(5番人気タイ)が1番人気ハイフィールドプリンセスをマークすると、残り1ハロンの手前から先んじて追撃を振り切った(1馬身差)。

 序盤は1番枠のトワイライトグリーミング(5番人気タイ)と豪州から遠征した2番枠のクーランガッタ(3番人気)が先行し、中枠のハイフィールドプリンセスも抜群の発馬から前へ。これを内で枠順の近いブラッドセルがピタリとマークすると、中間点では4頭が先頭に並んだ。

 さらに、残り2ハロンからハイフィールドプリンセスとブラッドセルが抜け出し、ほぼ同じタイミングで仕掛けられると反応良くブラッドセルが先頭に躍り出る。ハイフィールドプリンセスも食い下がったが、最後まで体半分からひとつの差を詰め切れなかった。

 17番枠からスタート直後に内へ切り込んだアナフ(15番人気タイ)が馬群の中から1馬身3/4差の3着に追い込み、クーランガッタは失速して11着に惨敗。2番人気のドラマタイズドはコースの内側が有利な馬場状態で18番枠の不利も大きく15着に沈んだ。

 ブラッドセルはタスリート(父ショーケーシング)産駒の3歳牡馬でG1初制覇。2歳の昨年もロイヤルアスコット開催初日のG2コヴェントリーステークスで重賞初制覇を飾っている。3歳の今年は初戦から6ハロンのG3コモンウェルスカップトライアルステークスとG2サンディーレーンステークスでともに3着で敗れたが、距離短縮で古馬に挑戦する選択が功を奏す形となった。今回が1年ぶりの白星で通算6戦3勝(重賞2勝)としている。

 なお、レース終盤で抜け出したブラッドセルは、コース内側から中央方向へもたれ続けたことにより審議対象となるも到達順の通りに決着。ドイル騎手は女性騎手として初めてロイヤルアスコット開催のG1制覇を果たした。