ロマンチックウォリアー、豪G1コックスプレートで3頭一線の激戦を制す

2023年10月29日 08:19

 豪G1コックスプレート(3歳以上、芝2040m)がムーニーバレー競馬場で現地28日に行われ、香港から遠征中のロマンチックウォリアー(1番人気)が4番手から道中を運ぶと、先行勢の外を回って突入した約170mの直線では3頭が一線に並ぶ攻防を際どく制した。

 ゲートを決めたロマンチックウォリアーは序盤に2番人気のアリゲーターブラッドと3番手を並走。中盤にアリゲーターブラッドを先に行かせて1列下げ、差なく内に6番人気ミスターブライトサイドを従えて4番手に収まった。

 残り600mが近づくと各馬のピッチが上がり、ミスターブライトサイドがアリゲーターブラッドの内に接近する。ロマンチックウォリアーは先頭で直線に入ったアリゲーターブラッドの外から追撃し、ミスターブライトサイドは内に1頭分開いたスペースから鋭進。残り50mでミスターブライトサイドが先頭に顔をのぞかせたが、しぶとく脚を伸ばすロマンチックウォリアーがゴールで鼻面を突き出した。

 ゴールでの着差はロマンチックウォリアーとミスターブライトサイドが0.1馬身、アリゲーターブラッドはさらに0.2馬身の大接戦。豪競馬メディア『racing.com』は3頭の着差をハナ差、短クビ差と表現している。また、後方からミスターブライトサイドの背後を狙った3番人気のファンガールは不利もあって7着に終わった。

 ロマンチックウォリアーは4月のクイーンエリザベス2世カップ以来となる4度目のG1制覇。豪州遠征初戦のターンブルステークスは直線で伸び切れず4着に敗れたが、この勝利により香港調教馬として2005年のケープオブグッドホープ(オーストラリアステークス)以来、2頭目となる豪G1制覇の快挙を成し遂げた。

 殊勲のJ.マクドナルド騎手はアナモーで制した昨年に続きコックスプレート2勝目。マクドナルド騎手は「負けたと思った」とゴールの瞬間を振り返るとともに、「(残り)1200m地点でギャンブルしたんだ。馬を下げてアリゲーターブラッドを1馬身前につけさせた。彼には勝てると思っていたし、その通りになった」と勝負の分かれ目に言及している。