​南アフリカから香港移籍のクロフォード調教師、重賞初挑戦で初制覇

2025年11月10日 12:40

 現地9日、香港シャティン競馬場でG3ササレディースパース(ハンデキャップ、芝1800m)が行われ、K.ティータン騎乗のエンカウンタードが南アフリカから今季に移籍してきたB.クロフォード調教師に新天地での重賞初勝利をプレゼントした。

 最軽量ハンデのエンカウンタードは縦長の馬群の後方に控え、直線入り口で横に広がった馬群の中央を割って進出。残り200メートルでもまだ先頭とは差のある6番手付近だったが、そこからさらに末脚を伸ばしていき、先に抜け出していたハッピートゥギャザーをゴール寸前で差し切った(短アタマ差)。

 なお1番人気に推されていた昨季の香港ダービー馬キャップフェラは2番手の好位につけていたものの、最終コーナー付近でZ.パートン騎手が後ろを気にしながら減速。競走中止となった。

 エンカウンタードはチャーチル産駒の6歳セン馬。2年前のこのレースで重賞初制覇を飾ったがその後は苦戦が続き、今季からクロフォード厩舎へ転厩。するとハンデ戦で2着、3着と復調気配を見せ始め、叩き3戦目で約2年ぶりの勝利を手にした。

 クロフォード調教師はジンバブエ出身で、南アフリカで調教師として輝かしいキャリアを築いた54歳。南アフリカ競馬のシーズン総決算とされるG1ダーバンジュライを2023年から2年連続で勝つなどの素晴らしい実績を残し、今季から香港に拠点を移していた。

 香港での重賞初挑戦で初制覇を達成したクロフォード氏は「本当にギリギリの接戦だった。カリス(ティータン騎手)には感謝しなくては」とコメント。モーリシャス出身で南アフリカにてデビューしたティータン騎手も「ブレット(クロフォード師)とは長い付き合い。若い頃にチャンスを与えてくれて、騎手だけでなく人間としてどうあるか、見習い期間を終えた後の人生にどう向き合うかを教えてくれた」と語り、香港での再会を喜んでいた。